研究・技術サービス

上齋原スペースガードセンター(KSGC) 岡山県苫田郡鏡野町

フェーズドアレイアンテナ
レーダーで低軌道のスペースデブリを観測する。
上齋原スペースガードセンターは、レーダーにより低軌道のスペースデブリを観測します。球状のレドーム内のレーダアンテナにより、高度1,000km程度 までの低軌道にあるスペースデブリを観測し、それがどのような軌道を周回しているかを明確にします。このように1カ所のレーダ施設で低軌道にある宇宙デブ リの軌道を決定することは世界初の高度な技術的試みです。この施設は平成16年3月に完成しました。

レーダサブシステム

レーダサブシステムは、空中線装置と受信信号処理装置から構成される、遠隔操作による無人観測施設です。
空中線装置は、アクティブフェ一ズドアレイ方式を採用して、スペースデブリの探索のために電波の送受信を行います。これは3m×3mの平面上に送受信モ ジュールが約1400個配置されたアンテナで、アンテナそのものを動かすことなく、仰角方向と方位方向に、一定の範囲で瞬問的に送受信ビームの向きを変えることができるレーダです。
装置全体は風雪を防ぐため、直径12mのレドーム内に設置されます。また、アンテナは仰角方向に54度の傾斜を持つよう設置され、基台部は方位方向に機械駆動で回転できるようになっています。(下図参照)
受信信号処理装置では励振と受信を行い、また受信波を増幅検波してA/D変換します。このデータは、信号処理部を経て、角度・距離等の工学計測値に変換されます。さらにデータ処理部において、観測したスペースデブリの一次的な運動予測の処理がなされます。この結果はビーム制御サブシステムにフィードバックされ、空中線装置の方位角の機械駆動や、アンテナから送信されるビームの向きの制御に用いられます。

空中線装置の主要諸元
動作周波数 3,100MHz~3,400MHzの1波
空中線開口 横3m~縦3m
最小識別角度 方位・仰角とも2.8°以下
最小識別距離 300m以下
最大処理距離 1,000km
方位回転速度 6°/sec以上
レーダサブシステムの断面図

ビーム制御サブシステム

ビーム制御サブシステムは、アクティブフェーズドアレイ方式の利点を生かして、最も効率的にスペースデブリを追尾できるように、ビームの時分割制御を行います。本施設では、ビーム走査可能範囲内において、10個のデブリを同時追尾が可能となるように設計されており、デブリ観測に最適な追尾観測を実現させます。

<主な機能>
本施設により、距離600kmにおける直径1mのスペースデブリが観測可能です。
本施設により、10個の宇宙デブリを同時に追尾し、データ処理を行うことが可能です。

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