

レーダサブシステムは、空中線装置と受信信号処理装置から構成される、遠隔操作による無人観測施設です。
空中線装置は、アクティブフェ一ズドアレイ方式を採用して、スペースデブリの探索のために電波の送受信を行います。これは3m×3mの平面上に送受信モ ジュールが約1400個配置されたアンテナで、アンテナそのものを動かすことなく、仰角方向と方位方向に、一定の範囲で瞬問的に送受信ビームの向きを変えることができるレーダです。
装置全体は風雪を防ぐため、直径12mのレドーム内に設置されます。また、アンテナは仰角方向に54度の傾斜を持つよう設置され、基台部は方位方向に機械駆動で回転できるようになっています。(下図参照)
受信信号処理装置では励振と受信を行い、また受信波を増幅検波してA/D変換します。このデータは、信号処理部を経て、角度・距離等の工学計測値に変換されます。さらにデータ処理部において、観測したスペースデブリの一次的な運動予測の処理がなされます。この結果はビーム制御サブシステムにフィードバックされ、空中線装置の方位角の機械駆動や、アンテナから送信されるビームの向きの制御に用いられます。
| 空中線装置の主要諸元 | |
|---|---|
| 動作周波数 | 3,100MHz~3,400MHzの1波 |
| 空中線開口 | 横3m~縦3m |
| 最小識別角度 | 方位・仰角とも2.8°以下 |
| 最小識別距離 | 300m以下 |
| 最大処理距離 | 1,000km |
| 方位回転速度 | 6°/sec以上 |

ビーム制御サブシステムは、アクティブフェーズドアレイ方式の利点を生かして、最も効率的にスペースデブリを追尾できるように、ビームの時分割制御を行います。本施設では、ビーム走査可能範囲内において、10個のデブリを同時追尾が可能となるように設計されており、デブリ観測に最適な追尾観測を実現させます。