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2016.01.14
お知らせ「理事長の独り言 第9号」を掲載しました

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【第9号】 全国小・中学生作文絵画コンテスト

 

                               平成28年1月12日

 

(コンテストの概要)

今年度も「宇宙の日」(9月12日)記念行事の一つとして、全国の小学生と中学生を対象に宇宙に関する作文と絵画の第23回目のコンテストが行われた。今月6日に三鷹市の国立天文台で表彰式が行われたので私も出席した。募集期間は、昨年9月30日までの約3か月半、テーマは小学生部門が「宇宙に飛び出そう」、中学生部門が「宇宙のなぞにせまろう」である。作文と絵画を合わせた応募件数は、小学生部門が9,698点、中学生部門が1,243点で、合計10,941点に達した。この数字は、子供たちにとって、宇宙が好奇心を膨らませる夢と希望の対象であると物語っていると思う。このコンテストはその名の通り全国規模の事業で、文部科学省、国立天文台、JAXA、日本宇宙フォーラム(JSF)、日本科学未来館及びリモート・センシング技術センターの6機関と全国の65の応募科学館が主催し、後援を内閣府宇宙戦略室、そして今回からメディアパートナーとして朝日新聞デジタルにも参画していただいた。

 

(審査の手続きと受賞)

審査過程はこうだ。まず、65の応募科学館で募集・審査を実施し、部門ごとに最優秀賞(1点)、優秀賞(2点)、佳作(3点)を選定する。このうち最優秀賞を「宇宙の日」事務局であるJSFに送っていただいて、最終審査委員会にて、部門ごとに作文と絵画について文部科学大臣賞等6つの各主催者賞を選定し、加えて特別賞の宇宙政策担当大臣賞、メディアパートナー賞の朝日新聞デジタル賞を選ぶ。メディアパートナー賞はそれ以外の受賞者に重ねて授与されるので、結局受賞に輝いた子供たちの総数は28名である。約1万点の中から選ばれただけあって、いずれも素晴らしい作品だ。これらの結果は7日には、朝日新聞デジタルから報じられている。

 

(受賞した作文と絵画の評価)

審査委員長の講評では、作文の部(宮腰 賢 審査委員長)では、小学生は実感を大切にし、中学生は地球規模の課題を見据えて最先端のなぞに立ち向かおうとする印象だという。絵画の部(里中 満智子 審査委員長)では現代の子供は予想以上に宇宙の仕組みを理解していて、宇宙空間に浮かぶ人工物等の表現に豊かな科学知識が見て取れると評された。更に、色遣いが赤、青、黄色などとても鮮やかで、子供にとって宇宙は明るい希望に満ちた世界に見えるようだ。漆黒の宇宙とは随分違う。これは、子供たちが日常的にTVやスクリーンに映る、宇宙科学衛星の色や形、宇宙飛行士の活躍、国際宇宙ステーション(ISS)などを見て、同時に青い美しい地球の姿に強い印象を持ったことが影響しているからではないかと思う。

 

(JSF理事長賞の作文と絵画)

JSF理事長賞は、作文の部は小学生が鳥取市立末恒小学校4年の中村圭吾君の「宇宙でリサイクル」、中学生が千葉市立葛城中学校2年の外川 楓(かえで)さんの「見えないもの」に授与された。中村君の作文は地球にある不要のものを国際宇宙ステーションⅡに運び、エネルギーに変えて、水や食料を作るという内容で、地球を平和にしようというものだ。小学生が今の世界が直面している問題を考えていることに感心した。外川さんの作文は、自分が宇宙の暗黒物質(筆者注:ダーク・マター)を可視化するミッションのプロジェクトマネージャーになったという想定で、宇宙の解明のために宇宙で「見えるもの」と「見えないもの」を対比するという、ちょっと高度な科学的内容だ。絵画の部のJSF理事長賞は、小学生が各務原市立中央小学校6年の田中凪子(なぎこ)さん、中学生が盛岡市立上田中学校2年の山本 花さんに授与された。田中さんの絵には、青い星やその周りの土星の輪のような輪に赤や緑のいろんな魚や鯨が泳いでいる。画面の左右には赤いカニやイカもいて、宇宙が生き物いっぱいの海になったとても楽しい絵である。山本さんの絵は、体が黄色で髪が緑の宇宙人と日本人宇宙飛行士が思わず出くわした絵である。お互いにとても驚いた表情で、「君は誰だ」と言い合っているかのようだ。今回の作文と絵画の受賞作品は、我々大人が思い及ばない想像(創造)力に溢れたものだ。

 

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(若い世代のための二つのコンテスト)

今回のコンテストは、小・中学生に対して、作文や絵を通じて宇宙に関心を持ってもらい、宇宙開発利用の普及啓発と人材養成の双方の実現に貢献しようとするもので、非常に重要だ。応募者は今後の宇宙開発利用の頼もしい応援団になってくれるだけでなく、中には将来の日本の人工衛星や新型ロケットの開発、さらには深宇宙探査の国際協力プロジェクトの担い手になってくれる子供もいるだろう。子供が宇宙に関心を持つと親も興味を持つ。潜在的な「作文・絵画コンテスト」応募者もかなりの数いるだろう。昨年11月に行われた「衛星設計コンテスト」は、高校性、大学生、大学院生が応募者であったが、衛星の設計やアイデアにチャレンジする学生がどんどん増えてほしい。それは宇宙開発の現場を学ぶことに等しい。これからも、関係政府機関、関係宇宙機関・団体、そして宇宙企業の皆さんとしっかり協力しながら、二つのコンテストを一層発展させ、日本が世界の宇宙開発利用を牽引できるような人材の養成、そして宇宙に対するできるだけ幅広い国民的な理解と支持が得られる一助となるように微力を尽くしたいと思う。

 

【すべての受賞作品はこちらからご覧いただけます】

作文の部

絵画の部

 

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【理事長の独り言 バックナンバー】

【第1号】“中年の星”油井亀美也さん宇宙へ飛び立つ!

【第2号】夏の特別展「宇宙への挑戦」

【第3号】「こうのとり」が運ぶもの

【第4号】「宇宙の日」と有人宇宙飛行

【第5号】スペースデブリ(宇宙ごみ)をどうするか?

【第6号】衛星設計コンテスト

【第7号】国際宇宙ステーション(ISS)への参加の意義

【第8号】「あかつき」とノーベル賞

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