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29年度開催結果 作文の部 審査委員長 講評

審査を終えて

作文の部 審査委員長

菊地 涼子

 今年はうれしいことに、去年よりたくさんの方が応募してくれました。書くも書かないも本人次第というコンテストで、「月へ」をテーマに作文を書き上げた小中学生一人ひとりに拍手を送りたいと思います。
 副題の「あなたは月でなにをしますか?」という問いに、SF仕立て、論文調、物語調、空想など、様々な形式で直接答えた作品がほとんどでしたが、中には文化や歴史を振り返りつつ、月と人間の来し方行く末を展望した作品もありました。月がいかに身近に私たちの生活に関わってきた大事な存在であるかを改めて思い知らされました。
 今や中学生ともなるとスマホを持ち、友達とSNSを通じた短い言葉のやり取りに時間を費やす人も増えている時代。自分で文章を組み立て、はっきりと考えや気持ちを表現する機会が減っているかもしれません。そうした中、これだけたくさんの小中学生が手書きの作文を提出してくれたことは心強い限りです。その上で皆さんがさらに成長してくれることを望み、私たち審査委員からいくつかアドバイスをしたいと思います。
 まず作文の内容について。「地球の環境破壊があまりに進んだために、月を利用して地球の再生や人類の救済に取り組む」というストーリー展開が多かったように思います。今年に限らず、以前から出品される作品に地球の環境問題にからめたものが多く見られます。宇宙を舞台に、もっと大きく、もっと自由に想像を広げてほしい。私たちはそう考えています。固定観念や大人の理屈にとらわれず、小中学生ならではの柔軟な発想や想像を作文で表現してほしいのです。自分独自のアイデアを大切にしてください。
 「ウサギ」が登場する作品も小中学生ともにしばしば見られました。月といえばウサギを連想するのは日本人らしさですが、童謡的世界にとどまらずに、自分のアイデアを形にするために必要な知識を選び、効果的に使って話を展開。
 そして自分のアイデアを十分に表現するために、構成をしっかり組み立てることが大事です。構成や形式にまとまりのある作文、読み手が思わず一気に読みたくなるような流れの良い作文は、読む人の心にも強く響きます。
 もし、今回だいぶお父さんやお母さんの手を借りてしまった…という人がいたら、次の作品は是非、自分で書き上げてみてください。自分で考え、仕上げたという自信は、きっと皆さんがこの先の道を切り拓いていく力になると思います。


審査委員会コメント

グランプリ 文部科学大臣賞
【小学生部門】 『月でみどりを育てたい』
審査委員会: 「月とみどりの結び付け方が良い。よく考えた真剣な提案が多い。論文調だが読みやすい。」

グランプリ 文部科学大臣賞
※メディアパートナー賞:朝日新聞デジタル賞

【中学生部門】 『地球の未来を守るための月のあり方』
審査委員会: 「月面開発で終わらせずにさらに先までストーリーを練った。台詞や描写に光るものがあった。 」

特別賞 宇宙政策担当大臣賞
【小学生部門】 『Rally on the moon』
審査委員会: 「スピード感があり、一気に読ませる。運転の描写が上手。」

特別賞 宇宙政策担当大臣賞
【中学生部門】 『ロボットの住む街「月」―ロボットと人が共存する未来の物語りー』
審査委員会: 「秀でた文章力で、一気に読ませるSF意欲作。宇宙への想いがあふれる。」

国立天文台長賞
『月との約束』
審査委員会: 「能を学ぶ作者が独自の視点で月を捉えた独創性がよい。宇宙、月、人間の関係を考察させる。」

宇宙航空研究開発理事長
『ふつうの人は、月に近づいたの??』
審査委員会: 「百人一首から月と人間の関係を考え、ひいては現代に問いを投げかけた。大人もドキッとさせられた。」

日本科学未来館理事長賞
『月ホテル』
審査委員会: 「月の環境の問題点を考え、解決する努力がいい。最後のオチが効いている。」

リモート・センシング技術センター理事長賞
『月が拠り所となるとき』
審査委員会: 「価値観という難しいテーマでまとめた。視点や描写、散文的な文体にも独自性が光る。」

日本宇宙フォーラム理事長賞
※メディアパートナー賞:朝日新聞デジタル賞
『月へ!お地きゅう見りょ行』
審査委員会: 「言葉遣いや描写が生き生きとして、小学生らしい想像力に満ちている。」


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