「一般財団法人日本宇宙フォーラム」トップページへもどる 「宇宙の日」ホームページへ戻る
「宇宙の日」ホームページ

 

29年度開催結果


2017年 作文の部
日本科学未来館館長賞

『月ホテル』
釧路市立清明小学校 4年生 鈴木 優雅
 
「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオ」
 これは、ぼくが乗っている、月行きのロケットの音です。子どものころ、あんなにきょう味をもっていた月にまさか自分が行くことになるとは思いもよりませんでした。ぼくは、これから月にホテルを建てに行くところなのです。しかし、この日をむかえる前には、たくさんの解決しなければならない問題がありました。
 一つ目は、ホテルを建てる「場所」の問題です。月には多くの、人の体に悪いえいきょうをあたえる宇宙線がふり注いでいます。それをさけるために、ホテルは地下にアリの巣のように建てることにしました。場所の問題はこうやって解決しました。
 二つ目は、ホテルを建てる「材料」の問題です。地球から材料を運んでくるのは大変なので、地球ではなく月にあるものを利用するという方法を考えました。月には鉄やアルミニウムがあるからです。さらに、月の表面の砂も固めてレンガにすると材料にすることができます。鉄やアルミニウムをとかしたり、レンガをやく時には太陽光を使います。かがみをたくさん使って光を集め、その熱を利用すると、空気のないところでも作業ができるようになります。材料の問題はこうやって解決しました。
 三つ目は、ホテルで使う「電気」の問題です。ホテルには大量の電気が必要になります。そこで、月に太陽光発電所を建てることにしました。月の「えいきゅうかげ」の近くには、一日中太陽光が当たる「えい遠の昼」とよばれる場所があります。そこに発電所を建て、さらにその近くにホテルを建てることで、電気を利用しやすくします。電気の問題はこうやって解決しました。
 四つ目は、ホテルの前に、生物が生きていく上で必要な「空気と水と食べ物」の問題です。月には空気も水も食べ物もありません。そこで、ISS(国さい宇宙ステーション)で使われている方法を取り入れることにしました。まず、酸素、窒素、水を月へ運び、「エレクトロン」というものを利用して、ホテルの中の空気を除湿し、その集めた水を分解して、酸素と水素を取り出します。酸素は空気中に、水素は二酸化炭素と合わせて水にして再利用することにしました。こうしてできた水と空気を利用することで、野菜や動物も育てることができるようになります。空気と水と食べ物の問題はこうやって解決しました。
 五つ目は、ホテルまでの「い動手だん」の問題です。せっかくホテルを建てたとしても、お客さんが来てくれないと、意味がありません。そこで、地球から月までケーブルをつなげ、エレベーターでい動できるようにします。その方が何度も行き来できるからです。ケーブルが切れてしまわないか心配でしたが、日本で見つかった「カーボンナノチューブ」という素材を使うことでクリアできそうです。い動手だんの問題はこうやって解決しました。
 他にもたくさんあった問題を全部解決して、あとはホテルを建てるだけです。お客さんに楽しくすごしてもらえるように遊べる道具も考えました。それはゴーカートです。ゴーカートといっても、タイヤで走るものではありません。イオンエンジンの力で月の表面をうかんで進む乗り物です。宇宙線の心配があるので、宇宙服を着て乗ってもらいます。みんなの楽しそうな顔が目にうかびます。
 残った問題はあと一つ。それは、ぼくがまだ九才だということです。早く大人になりたいです。

もどる