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28年度開催結果


2016年 作文の部
<中学生部門>入賞作品
日本科学未来館館長賞
メディアパートナー賞 朝日新聞デジタル賞

「宇宙ボランティア」
八戸市立大館中学校2年 水石 萌菜
 
「宇宙ボランティア大募集」の大きな文字が私の目に飛び込んできた。中学二年生になり、勉強も急に難しくなり、一学期の成績もよくなかった。部活動でも思うような結果が出せずに少しイライラしながら、ぼんやりと夏休みを過ごしていた私の心がこのポスターに反応した。
 「自分にも何かできることがあるかもしれない。」そんな思いで問い合わせしてみた。
 ボランティアの内容は、大きく分けて三つ。まず一つ目は宇宙のことをより多くの人たちに知ってもらうこと。二つ目は宇宙人たちに地球人たちのことを理解してもらうこと。三つ目は宇宙の開発に協力すること。これを聞いて私は
「絶対、無理。私になんてできるわけないじゃん。それに正直、面倒くさい…。」
と思っていた。でもその時、隣で説明を聞いていた子が
「へぇ~、おもしろそう。これは、やらなきゃ損だよね。」
と大声で言って私の肩をたたいてきた。
「は?何?この子、意味わかんない。」
と思ったけれど、断るタイミングを逃してしまい、なんとなく参加することになってしまっていた。
 まずは、宇宙の宣伝だ。私たちは宇宙人のホームページをたちあげた。宇宙人は、それぞれ見た目が違うけれど、それは地球人が国によって肌の色や目の色が違うのと同じで、個性だということ。それぞれ得意なことや興味のあること、生活習慣や言葉も違うけれど、内に秘めるハートは共通しているということ。何よりも、地球人も宇宙人も、この世にたった一つしか存在しない、かけがえのない「命」をもっているのだということ。画像をとりいれながら、宇宙の紹介をしていると、宇宙人に対する親近感がわいてくる。宇宙への思いが、無気力だった私の中に広がっていった。
 次に、宇宙人に向けての「地球人紹介」を行う。宇宙人にとっても、地球は未知の世界だ。不安なことはたくさんある。私たちはその不安をできるだけ取りのぞいてあげなくてはいけない。まずは地球人にもハートがあり、平和を愛しているのだということを強調した。話しているうちに、お互いが理解し合い、平和で、愛に満ちた宇宙をつくろうという思いがあふれてきた。地球人のよさを知ってもらいたいという思いで、なぜか友達とまんざいをしてみせた。素人の下手なまんざいなのに、宇宙人たちは拍手をしてくれた。私たちが笑うと宇宙人たちも笑ってくれた。笑顔でつながれることが、こんなにもうれしいことだとは思わなかった。
 最後に、宇宙開発への協力というミッションがあった。大人の地球人、宇宙人が、率直な意見を出し合って会議をしていた。開発の一番の目的は、宇宙の食糧確保だった。確かに地球人も増え続け、食糧不足が起きはじめている。そして、それは宇宙人にとっても同じ悩みだった。お互いの悩みを解消しようと多くの意見交換がおこなわれていた。お互いが出資し合って、お食事星を開発しようという結論になった。もちろんそこでは、地球人の好物、宇宙人の好物、両方が生産される。私たちは好物を聞かれた。
「白米とアイスクリームとチョコレート。」
と私が答えると、うなずいて生産物の候補にあげてくれた。私のような中学生の意見にもしっかりと耳を傾けてくれたのがとてもうれしかった。
 気がつくと、夏休みもそろそろ終わりだ。振り返ると、充実した夏休みだったと実感した。こんな自分でも、誰かの役に立ったということが心をあつくした。あの目的のなかった一ヶ月前がうそのようだ。少し自分に自信をもてた気がする。これからは、立ち止まらずに、前を向いて進んでいこう。歩いていく先に、「宇宙開発」というミッションが待っている気がする。お食事星で大好物を生産する夢も、もうすぐかないそうな気がする。

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