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28年度開催結果


2016年 作文の部
<中学生部門>入賞作品
特別賞 宇宙政策担当大臣賞

「火星と私」
光塩女子学院中等科1年 鈴木 梨々花
 
 私は、二十八才。火星の衛星、フォボスと火星へ行く宇宙飛行士の選抜試験の応募のための作文を書いている。題は「火星と私」だ。宇宙と初めて出会ったあの頃、小学二年生の私への手紙形式にしようと思う。
 小学二年生の私へ。あなたは、最近見た小惑星探査機はやぶさの映画がきっかけで、宇宙に興味を持ち始め、探査機を作りたいと思っているでしょう。あなたに、未来のあなたの様子を教えたいと思います。あなたは、宇宙を勉強していくうちに、地球外生命体がいるのか、とても知りたくなります。そのヒントを持っている火星へも興味をもち、「宇宙飛行士になって火星へ行く」という夢をえがきます。そしてこの手紙を書いている私はもうすぐで火星への切符を手にするかもしれません。そこで今、私が考えている火星・フォボスでの計画をここに記したいと思います。
 火星に行くには、宇宙船が必要だ。計算上では、最短で往復約一年半かかる。これでは、宇宙飛行士への体への負担が大きいと思う。特に、放射線の被曝量と、無重力状態による骨の劣化だ。私が考えている宇宙船は早く火星へ行くことができる。宇宙船は、地球からロケットで打ち上げるが、ロケットの能力により、宇宙船に積むエンジンの量が限られてしまう。ロケットの九十パーセントは、燃量だ。燃料は液体酸素と液体水素だ。しかし酸素は空気中にある。そこで、液体水素はロケットにのせていき、酸素は空気中から取り込みロケット内で冷やして燃料にすると、宇宙船に火星へ行く燃料をのせられる。宇宙船の燃料はイオンエンジンで、地球スイングバイをして加速して火星へ向かう。
 地球や昔の火星に水があったのは、火星の衛星、フォボスのおかげかもしれないといわれている。太陽から火星までは、水が水蒸気になってしまうが、木星から外は水を天体の中に取り込むことができる。フォボスは、火星と木星の間にあった小惑星で、水を含んでいた小惑星だったといわれている。その小惑星が、火星の重力に引きつけられ水を含んだ衛星になったのだ。また、フォボスには、隕石が火星にぶつかったときの破片が地表にあるとされていて、そのサンプルを採ることができれば、火星が誕生した頃の様子や、太古の火星に大量にあった水がなくなった理由もわかる。つまり、フォボスに行くということは、火星を知ることができるということなのだ。実は、フォボスには二千二十二年にJAXAが打ち上げた探査機が行っている。探査機が行ったことで解明された謎もあったが、また新たな謎が生まれてしまったので今回宇宙飛行士を派遣して探査することになった。
 その後火星に向かうことになる。火星に行ったらどのような研究や探査をしようか。私が火星について一番興味があることは、生命の痕跡や、生命が存在するかなど火星でも生命が存在できるかということだ。私は火星である実験をしたいと思っている。それはNASAがバイキング1号と2号の時にも行った実験だ。乾燥した火星の土を集め、そこに水を加え温めて栄養を与える。もし微生物がいたら、新陳代謝により二酸化炭素がでてくるはずだ。バイキングの時、この実験では二酸化炭素は出たものの、微生物は活動を続けるはずなのに二酸化炭素はすぐに消えてしまった。これは、火星の土の性質で、栄養分が酸化してしまったためだといわれている。今回この実験を行うときは、酸化しない栄養分を与えなければならない。今回の打ち上げまでに酸化しない栄養分が開発できなかったら、火星の現地の土で試行錯誤して開発するか、最終手段としては微生物に影響を与えるかもしれないが、栄養分に酸化防止剤をまぜるということもできる。もし、この実験で二酸化炭素が出続けたら、火星に生命がいるということが分かるかもしれない。
 以上が今回のミッションで、私が考えていることです。小学二年生のあなたには、難しいことが多かったかもしれません。でも、あなたが大人になるころには、この手紙を書いていて、火星に人類が降り立つ時代になっているのです。あなたは小学四年生のときから火星に行きたいと思うようになっています。その気持ちを忘れないで、今後勉強してください。そうすれば、必ず火星とフォボスに行くことができます。
 これが、JAXAの選抜試験で提出する、作文だ。もし宇宙飛行士になったら、火星に行けるのは六年後で、その間訓練などを受ける。六年後、私がフォボスの地表に立ち、その後火星から小さな地球をながめていることを願っている。

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