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26年度開催結果


2014年 作文の部<小学生部門>入賞作品
国立天文台長賞

「この手に緑を~いん石からのメッセージ~」
兵庫県 神戸市立玉津第一小学校4年  天羽 悠月
 
「あっ、この石光ってる。きれーい。」
 私はふくろの中に、また一つ、石を入れた。
 友達と石拾いで遊んでいた時、『いん石』という言葉が出てきた。よく分からなかったけれど、石の一種で、宇宙に飛んでいる物なんだって。地球にも落ちてきて、宇宙のことをしめす重要な手がかりになるそうだ。
「すごい。そんな石が宇宙のことを知る手がかりになるなんて……。これもいん石かなぁ。」
 宇宙は広い。その中をいん石が飛んでいるのは、かっこいいじゃないか。そう思うとむねがワクワクとなった。
 それから二十年以上たった、二千五十年げんざい、私は仲間達といん石の研究をしている。かこの宇宙から、生物かん境がどのように変化してきているのか、調べるためだ。
 南極はそう庫みたいに、いん石がたくさんある。送られてきた石の研究からは、シアノバクテリアが発見されたり、火星の湖に魚がいたなど、次々となぞが解明される、この仕事はとってもおもしろい。
 ある時、研究所へ電話がかかってきた。
「不思議ないん石が発見されたので、今すぐ南極へ来てくれ!」
 急いで、船に乗りこんだ私は「どんな石だろうか」と思いをめぐらせていた。
 やがて、いん石採取場に着いた。
「こっ、これはすごい。」
 いん石は、光がぐるっと一周していて、目が開けられないほどだ。その元を知るために、きずつけないよう注意しながら切ってみた。
「うわっ……。」
 ものすごく明るい光に包まれて、見上げると天の川がうかびあがり、星が見えてきた。そこは、水と緑にあふれ、人々は、さるやクジラなどの様々な生き物達と共に仲良くくらしている。
「どこにあるのだろう……。」
 私はこの星に行ってみたくなった。
 そして今日、仲間達といっしょに宇宙へ旅立った。天の川の果て、暗黒星雲のおくに、その星はあった。
 星をぐるっと一まわりしてみた。どこか、なつかしい気がする星だ。
 おりたった私達に、人々は笑いかけながら「ようこそ、スミリアへ」と言った。
 「私達は、地球人です。この星のいん石にみちびかれて、やってきました。いん石を分せきすると、地球とよく似た物質がみられ、この星も私達太陽系の仲間なのではないのかと、想像しています。」
 そう私は話した。
 スミリアの人は、星を案内しながら歴史を語り始めた。
「この星が、いつごろ出来たのかは分かりません。ですが、今からおよそ二千年ほど前、スミリアの文明は生まれました。次第に文化は発達して、とても便利な生活をしていましたが、それと同時にスミリアは汚れて、生命のキキがせまってきました。私達は、そこから安全にくらせる方法を探し続けています。」
「この星のことを調べさせて下さい。何か分かるかもしれません。」
 私と仲間達で調さを開始した結果、太陽系で見られる物質が多く見つかり、地球に似ていた。きっと、同じころにたん生したのではないだろうか。心配をしていた汚せん物質の量は少なく、大丈夫だと伝えた。
「何か汚せん物質を浄化してくれる生物がいるのかもしれない……。」
 そう思った私は、スミリアの人々と共同で探し始めた。
 すると、ある一つの植物にたどりついた。その植物の名は『ティールグリ』といい、神様に供える植物で、大切にされていた。細ぼうを調べると、葉と根から汚せん物質をきゅうしゅう分かいすることが出来、その植物を土にうめると、び生物が活発に活動することが分かった。
 スミリアに汚せん物質がひろがった時、神様にいのるため、各地にたくさん植えられたそうだ。
「この植物は、地球でも育つかもしれない。」
 私は、今の地球かん境を話した。
 スミリアの人は、言い伝えの言葉と共に、『ティールグリ』をわたしてくれた。
「共に生きるならば育ち、争いあらばかれる。すべて生きるものの心にあり。」
 その言葉は、私達のむねのおくに、しっかりときざまれた。
 やがて、帰る時がきた。スミリアの人々は、私達を天の川まで送ってくれた。
「さようなら。また会いましょう。」
「今度は地球に来て下さい。『ティールグリ』の森を作って、待っていますよ。」
 楽しそうな笑い声は、宇宙の中で、やさしくひびきわたった。キラキラ光る星がそばを流れていった。

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