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26年度開催結果


2014年 作文の部<小学生部門>入賞作品
宇宙航空研究開発機構理事長賞

「デスティニーアースの旅」
熊本県 熊本大学教育学部附属小学校4年  竹島 智輝
 
 地球は、危機をむかえていた。地球温暖化により、気温や水温の変化で全世界で異常気象が続き、そのため砂漠化などが進み食べ物が作れなくなっていた。
 温暖化をくい止めるために人類は、二酸化炭素を排出する石油や天然ガスなどを使うのをやめ、風力発電や太陽光発電といったクリーンエネルギーに移り変っていった。また、人々は省エネルギーに努め地球を住みやすい星にもどそうとしていた。
 しかし、それにも限界があり、数百年後には地球に生物が住めなくなると予想された。
 そこで、世界中の科学者が中心になり、地球に似た星を探しに行こうという計画が進められた。
 まず、どの星を目指すのか、人類が住むための条件は何かなど話し合われた。一番はじめにあがったのは、太陽のように自らエネルギーを発する恒星の近くにあること。次に、「生命の源」である海が凍らず熱で蒸発しないで液体のまま存在すること。さらに温室効果がある大気のつくりと気温であること。活動しやすい重力であること。食べ物の有無。などが条件として決まった。
 「デスティニーアース」と名づけられた探査船には、地質学者、鉱物学者、医学者、生物学者、海洋学者、車両オペレーターなど各分野の専門家が乗りこんだ。ぼくも植物学者としてチームに加わった。
 一番はじめに着いた星は、火山活動が活発な星だった。この星に着陸したとたんゴォーグラグラと大きなゆれがあった。地質学者のハロ博士がさっそく調べてみると「この星の火山は全て活火山なので大地震がとてもおこりやすい。」とのことだった。ぼくたちは、地震災害でのつらい経験もありこの星はあきらめて次の星を探すことにした。
 次についた星は、とても地球ににていて、海はとても小さいが植物が生いしげる緑の豊かな星だった。調査を開始してしばらくすると、大きなかげにおおわれた。雲のかげかと見上げると、体長5mぐらいの巨大なチンパンジーのような宇宙人がこちらをのぞいていた。かれらは、ぼくたちの言葉をすぐに理解し話しかけてきた。
「きみたちはどこから来たの。ここで何をしているの。」
 ぼくたちは、地球から来たこと、地球がめつ亡の危機にあること、そして人類が住める星はないか聞いてみた。
「アンドロメダ銀河の近くに宝石のようにキラキラ青く輝いている星があると聞いたことがあるよ。」と教えてくれた。かれらは、
「この星みたいに緑を大切にして。そうすると空気がきれいで風が気持ちいいよ。」とアドバイスをしてくれた。
「きみたちが住める星だといいね。」
「ありがとう。新しい星が見つかったらきっと連絡するね。」と言ってその星をはなれた。
 アンドロメダ銀河は遠かったが、「デスティニーアース号」は三ヶ月で教えてもらった星に着くことができた。
 ぼくたちは、すぐに調査をはじめた。そこは、エネルギーを発する恒星の光がふりそそぎ、大気のつくりも地球にそっくりで温室効果が期待できそうだった。重力に問題はなく青く輝く海をかく認できた。
 ただ、思っていたほど植物は多くなかった。ぼくは、食べ物になりそうな植物を探したが、ぼくのひざ位の低い木とそのまわりにツルがまきついている草しかみあたらなかった。食べられるかその葉を口にしたが、とても苦くて食べられる植物ではなかった。
 次に、この星の土は地球から持って来た植物を育てられるか調べた。見た目は少し赤くサラサラとして砂のようだが、一粒一粒の表面に丸い穴がたくさんあいていた。どうやらその穴の中に水分をたくわえることができ、保水力にすぐれていることがわかった。しかし土の栄養分が足りないので、地球の肥料とまぜて、まずはラディッシュとミニトマトを育ててみることにした。この実験がうまくいけば、次はもっと大きな植物や食べられる植物を育てる計画だ。
 ぼくは、調査をしながら思った。この星に地球のような環境破かいが起こらないようにこの星に植物をふやし食べ物の生産はもちろん、植物の力できれいな空気を保っていこうと。
 この星が緑でいっぱいになったら、この星のことを教えてくれた宇宙の友だちに、ぼくの作った植物をプレゼントしよう。
「緑を大切にして。そうすると風が気持ちいいよ。」と教えてくれた友だちに。

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