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25年度開催結果


2013年 作文の部<中学生部門>入賞作品
日本科学未来館館長賞

「宇宙農業」
千葉県 大網白里市立大網中学校3年  川島 健太郎
 
 西暦二千XX年、人類はその人口の増加を止めることができなかったために、地球をとび出した。その道のりは平坦なものではなかったが、あれから二十年もたった今ではまるでそれが嘘のように平和な日々が流れている。
 さて、そろそろ本題にもどろう。
 では、僕の仕事場を紹介する。あの黒い発電用太陽パネルでおおわれた所、いつも太陽の方をむいている円柱状の浮遊物が僕の仕事場だ。正式名称を第五宇宙植物工場という。僕たちはこれを略して第五植工と言っている。
 この第五植工は、地球連合という地球のすべての国が加盟している平和維持機関が設立した宇宙開発機構という国を越えて宇宙開発を行う団体が建造したもので、同じタイプの工場が全部で十個あり、宇宙で消費される穀物の約八十パーセントをその十の工場でまかなっている。
 この第五植工で行われている仕事は、穀物の生産、改良、その他の野菜の生産である。
 まず、穀物の生産から説明しよう。
 知ってのとおり宇宙は無重力で、水がプカプカと浮いてしまう。さらに植物は重力がないためにどこへのびればよいかわからなくなってしまう。
 そこで、ここでは植物からつくったスポンジ状の物に液体肥料をまぜた水をふくませて育てている。
 また、植物がどこにのびればよいかわからなくなるという問題も、一つの壁の面に有機ELをはりつけ光の方向を一定にすることで植物を誘導することで解決している。
 今、紹介した栽培ラインでは、稲を栽培している。実のところ稲は水耕栽培中心となる植物工場にはとても適した作物であり、宇宙での食事は米食中心となった。
 小麦も生産してはいるが、水耕栽培が難しいことと、穂が実っているときに穂に水がつくとそこから発芽してしまうことなどから、水耕栽培中心で、湿度の高い空間で行うことが中心となる植物工場での生産は鈍っている。
 しかし、パンやうどんが食べたいという人もいる。そのため、ここでも土栽培のブロックで小麦を栽培している。とは言えその生産量は米を大きく下回るものだが……。
 次に植物の改良について説明しよう。
 ここでは、先程お話しした、小麦の弱点を克服すべく日々努力がされている。
 ここで行われている品種改良の方法は大きく二つに分けられる。
 一つ目は、昔から地球でも行われてきた方法で、いろいろな品種をかけあわせたり、良い物の種子からまた種子をとる、という方法である。
 二つ目は、かなり特殊な方法で、まず種子を第五植工の外壁に設置されているむきだしのゲージに、空気と種子を入れた強化ガラスのケースをセットし、一日から一か月ほど放置し、宇宙放射線をあびせ、その種子を育てて良い物を見つける、という方法である。
 一つ目の方法は安全だが時間がかかり、二つ目の方法は早いが少々危険だ。
 また、ここでは植物工場で栽培するための作物の改良だけではなく、火星や月の土に適応するような作物の開発もしている。
 そして、その他の野菜の生産だが、これにも水耕栽培ブロックと土栽培ブロックの二つがある。
 水耕栽培ブロックでは、実もの野菜や、葉もの野菜の生産をしている。
 土栽培ブロックでは、水耕栽培の難しい根菜などの栽培をしている。
 また、ここでつかわれる土は居住区から出た生ゴミや排泄物を発酵させたもので、宇宙におけるゴミ問題を解決したものだ。
 最後に、僕は今、穀物栽培のラインで働いている。食料を生産することで世界平和に貢献する。僕はこの仕事を誇りに思っている。


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