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24年度開催結果


2012年 作文の部<小学生部門>入賞作品
審査委員会特別賞

小さな虫たちのひみつ
東京都 町田市立大蔵小学校3年  平本 望
 
 小学生になってから、ぼくは虫をかいはじめた。たとえば、田んぼで見つけたタニシ。かわいがってそだてたら、子どもがたくさん生まれた。夏になりあつくなったので、田んぼににがしてあげた。ほかにもアゲハちょうやナナフシ、アリジゴク、カイコなどもかったことがある。
 ある日、夜中に目がさめると、げんかんから物音がする。ぼくが様子を見に行くと、おいてある虫かごのまわりに生き物たちが集まって相だんをしている。
 「今年の宇宙オリンピックは中止かな?」
 「楽しみにしていたのにざんねんだな。」
 ぼくは思わず声を出した。
 「何を話しているの? きみたちはだれ? なんでぼくはきみたちの言葉がわかるの?」
 「ぼくはむかしきみにそだててもらったナミアゲハの青くんだよ。きみとはテレパシーで話している。本当はアゲハ星から地球を調べにきたんだ。ここにいる仲間たちも同じように、カイコ星やナナフシ星、アリジゴク星、タニシ星、クワガタ星から来たんだ。」
 「ところで、なにがたいへんなの?」
 ぼくがつづけてたずねるとタニシのヒカルが答えた。
 「じつは、宇宙オリンピックのせんしゅをのせた宇宙船がこわれて、き道から外れたので、ここに来られないらしい。」
 宇宙オリンピックというのは、一九七七年に宇宙全土によびかけてはじまったそうだ。五年に一度、いろいろな星のせんしゅたちがまざってチームを作り、自分たちできょうぎの内ようを決める。一回目は土星に集まってリングの周りをそりすべりしてきょうそうしたそうだ。七回目の今年は、みんなで羽をつけ、地球の重力を利用して羽ばたききょうそうを行う予定だった。ぼくは話を聞きながら思いついたことをていあんした。
 「そうだ。地球に来られないなら、宇宙でやればいい。」たくさんのゴミがあるから、そのゴミを集めるきょうそうをしたら?」
 「宇宙ごみ回収オリンピックか。おもしろそうだけど、それってきょうぎになるの? かち負けはどうなるのかな?」
 ナナフシの奈々ちゃんが質問した。
 「宇宙の仲間たちが協力してゲームに参加できるのが大切だよね。かち負けなんて関係ないよ。オリンピックはみんなが楽しむためにあるんだから。」
と、ぼくがうったえると、カイコの白くんがこたえた。
 「そうだ、きみの言うとおりだ。いろんな星の仲間たちが、ゴミを集めるための方法を考え、その道具を持ちよってきょうぎに参加する。一つでも多くゴミを集めたらチームがかちというのはどうだい。」
 ぼくはずっと気になっていたことをみんなにきいてみた。
 「みんなは自分の星でも小さいままなの?」
 すると、アリジゴクの有(ゆう)が教えてくれた。
 「もともとぼくたちは大きな生命体だったのが、大きくしんかして、住む場所がなくなり、食べ物の取り合いになって、けんかばかりしていた。ある日、研究者たちが体を小さくする方法を開発した。すると、小さなスペースで少しの食べ物を分け合えるようになったんだ。地球人たちも研究してみるといいよ。小さいと協力しないと生活もむずかしいから、なかよくなれるよ。地球人たちがいろいろ調査しても生命体が見つからないのは、小さすぎて、いる場所をさがせないからさ。」
 「すごい。体が小さくなるなんてまほうみたいだ。そうしたら、みんなでぼくの作った水ロケットにのって参加できるね。」
 その時、妹が目をさましてぼくをさがしにきた。しまった、と思ったが、もうおそかった。
 「あたしもいっしょに宇宙に行く。オリンピック弁当作って持って行くんだ。みんなでピクニックしようね。」
 妹は一度言いだしたらきかないせいかくだ。ぼくはしかたなくみんなにおねがいした。
 「妹もいっしょに行ってもいい?」
 みんなはにこにこわらっていて、青くんがこたえてくれた。
 「いいよ。みんなで行こう。出発はあしたの夜だ。それまでにじゅんびをするよ。でも、お弁当はつみきじゃなくて、本当に食べられる物にしてね。」
 妹もうれしそうにへんじした。
 「わかった。牛にゅうとパンにする。おにぎりも作るね。」
 ぼくたちはあすにそなえてねむることにした。さあどんなオリンピックになるのか、楽しみだ。


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