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24年度開催結果


2012年 作文の部<小学生部門>入賞作品
日本科学未来館館長賞

宇宙オリンピック ─銀河の中で─
大阪府 茨木市立玉島小学校5年  坪内 優奈
 
 「あーあ、今年もデートはおあずけか。」今日は七夕。朝からふっていた雨は夕方になってもあがらなかった。「残念。」優奈はベランダから部屋に戻り、電気をつけようとした。「パチ」スイッチをおすと、そこは巨大な銀河の中だった。優奈のすぐそばには人の影が……「あなたは誰?」「ぼくはけん牛。」わぁ、ひこ星様だ。ということはおり姫様もどこかに?私はあたりを見回した。するとすぐ近くに女の人もいた。「あなたもしかしており姫様?デート中だった?」だってここは雨がふっていない。「そうよ。でもデートだなんて……今年はそんなひまないわ。」「なぜ?」優奈が聞くと、けん牛が教えてくれた。「今年は一千万年に一度の宇宙オリンピックの年なんだ。」「いっせんまんねん~!?私、すごい時にきちゃったかも。」「それで、今は競技中。だからみんな一生けん命星を作っているんだ。」「星を作るの?」「そう。星達にも誕生から死までの一生があるんだ。重い星は明るく輝きすぎて燃料をむだ使いするから、たちまち燃料がなくなって超新星爆発をおこす。軽い星でもやがては惑星状星雲となって静かに一生を終える。だからこうやって新しい星を作るんだ。そしてこのオリンピックで優勝すれば作った星に名前がつけられる。ぼくが過去に優勝した時の星がアルタイルさ。」「へぇ~すごい!!私もやりたいな。」するとおり姫様が手袋と小さな袋をくれた。「星は直接さわってはだめよ。手袋をはめて、この袋の中につめていくの。重くて運べなくなったら今度はみがいてみて。おとめ座の女神、アストレアが現れたら競技は終了よ。天びんでその星を測ってもらってね。」そう言うと、おり姫様は行ってしまった。「あっ、待って!!何人くらい参加してるの?」おり姫様はふり返って「たくさんいるわ。出会ったら聞いてごらんなさい。私はこと座の代表。過去の優勝星の名はベガ。」と言うと、暗やみに消えていった。私はすぐに足元に落ちているキラキラ光る星くずを拾い始めた。するとすぐそこに男の人が二人。「私は優奈。あなた達は?」「ぼくはいて座代表のケイローン」「わしはへび使い座のアスクレピオスじゃよ。お互い頑張ろうな。」そう言うと、二人は行ってしまった。少し向こうにキラキラ輝く川が見えた。「たくさん落ちてるかも。行ってみよう。」優奈は天の川までやってきた。するとそこでは小さな男の子と女の子が星浴びをして遊んでいた。「私は優奈。あなた達は?」「ぼくピピリ」「私はレファ。二人共さそり座代表よ。ユウナはどこの代表?」「えっ私いて座なんだけどなぁ。さっきのおじさんいて座代表って言ってたし……」そうだ!!「私は地球代表よ。」「へぇ~優勝星持ってる?」「まだないわ。あなた達は?」「アンタレス!!」と二人は声をそろえて言うと「ユウナには負けないんだから~。」と行ってしまった。
 キラキラの星くずは袋に入れても入れても袋がいっぱいにはならない。そのかわりどんどん重くなってきた。「もう運べないなぁ、そろそろみがいてみよう。」そう思った時、とてつもなく大きな袋をかついだ巨人がやってきた。「わぁ~、あんなの絶対勝てない……」と思っていると、その巨人は私の心がわかるのか「そんなことないさ。この競技、重さだけでは競わない。どれだけ心をこめてみがいたかで星の輝きもうんと違ってくる。やってごらん。」と言うと、行ってしまった。「私は地球代表の優奈よ!!あなたは?」すると巨人は歩きながら「うしかい座代表のアトラスだ。優勝星も持っている。アルクトゥルスだ。覚えておいてくれ。」と言って暗に消えて行った。
 「よぉーし。みがくぞ。」私は袋から固まりになった星を取り出してみがき始めた。何時間そうしていただろう。星はどんどん輝き始め、目もあけていられない。思わず目をつぶった。そしてそーっと目を開けると一人の女の人が目の前にいた。「アストレアさん?」優奈が聞くとその人はにっこりほほえみ、天びんを出してきた。「あっ、これです。」優奈はおり姫様に言われたことを思い出して星をさし出した。アストレアは天びんでそれを測った後何かメモを取りながら「ユウナ、もしこの星が今年の宇宙オリンピックの優勝星になった場合、何と名づけますか?」と私に聞いた。「どうしよう。考えてなかった。」何かステキな名前をつけたいけれど思いつかない。「あのう……まだ考えていなくて。」するとアストレアは「ではこの星が優勝だった場合、もう一度あなたに名前を聞きにきます。その時までに考えておいて下さい。」と言って行ってしまった。「どんな名前にしよう?」考えながら歩きまわっていると目の前には天の川銀河の真ん中にできたブラックホールがあった。「うわぁ~!!すいこまれる~。」
 体がビクッとなって目が覚めた。そこはベッドの中。「やだ!!夢?」でも優奈の手にはしっかり手袋がはまっていた。
 今日も私は星の名前を考えている。いつアストレアが現れてもいいように……。


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