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22年度開催結果


2010年 作文の部<小学生部門>入賞作品
(財)リモート・センシング技術センター理事長賞

宇宙を利用した未来の介護し設
神奈川県 相模原市立星が丘小学校5年生  藤澤 賢太郎
 
 日差しがまぶしい。まるで太陽が目の前にあるみたいだ。無理もない、ここは日光をさえぎる大気や雲がない。そう、宇宙なのだから。こんなことを考えているうちに、もうすでにここの朝は始まっていたのであった。
 ここはどこなの? とぎ問に思った人がいるかもしれない。ここは「スペース・ケア・センター」だ。スペースは宇宙、ケアは介護、センターはし設のことである。つまり、宇宙にある介護し設である。
 ここには、大勢の老人がいる。しかし、老人だけではない。介護が必要な人たちもいる。なぜなら、宇宙は重力が小さいので、軽く持ち上げることが出来る。つまり、介護が楽になる。さらに、心ぞうや運動機能が弱っていてリハビリが必要な人には、重力が小さいことを利用すれば回復できるチャンスが増す。
「わっ、体が軽い鳥になった気分だ。これなら思った通りに体が動くよ。」
「介護する側としても、まるで風船を持ち上げるようで楽なんです。」
 ぼくの家では、妹がねたきりの障害児だ。母はだき上げる度に、
「うっ、重い。やっぱり二十五キログラムは重すぎる。どんどん重くなっていくから、先が思いやられる。けんちゃん、しょう来何かいいそう置を発明して。」
となげいている。また、父は妹をだき上げた時に「ギックリごし」になってしまった。まるで、こしにヤリがささったようないたみだったらしい。わが家のように、介護で苦労している家族は少なくはないだろう。だから、もし宇宙で介護をすれば、重力が小さいので、軽く持ち上げられるはずだ。このような願いから、「スペース・ケア・センター」は生まれたのだ。
「スペース・ケア・センター」が宇宙のどこにあるのかというと、「ラグランジュ点」だ。「ラグランジュ点」というのは、月と地球の引力の真ん中である。もし、そこではなく地球に近ければ地球の引力に引かれて落ちてしまうし、月に近ければ月の引力に引かれて月とぶつかってしまう。みんなで、どこに造るか話し合った。その結果、ぼくのてい案「ラグランジュ点」に決定したのであった。
 それでは、ここで「スペース・ケア・センター」の中をしょうかいしておこう。宇宙に空気がないことは、皆さんごぞんじだろう。そこでまず、酸素の作り方をしょうかいしよう。「スペース・ケア・センター」には学校の校庭ぐらいの広さの部屋がある。そこには大量の植物が置かれていて、みんながはいた二酸化炭素を吸しゅうし酸素をはき出す。また、宇宙には大気がないので、小さいいん石がものすごい速さで飛んでくる。月をみれば分かるが、月には大気がない。だから月はまるでけんかの後みたいにボコボコで、クレーターだらけなのだ。大気がないので「スペース・ケア・センター」にもいん石が……。そう思う人がいるかもしれない。でも大丈夫。ぶつかってもしょうげきが減少するためのクッションが周りにはりめぐらされているのだ。だからぶつかっても安心できる。このようにして「スペース・ケア・センター」はいろいろな仕組みによって、より快適に安全に過ごせるように研究されている。
 ところで、宇宙で病気になってしまったらどうするのか。治すためには宇宙に大量の材料を送らなければならない。今のロケットは、運ぶ物の約六倍のねん料が必要だ。そのように運んでいたらいくらお金があっても足りなくなってしまう。だから「スペース・ケア・センター」に行く人の体内にマイクロマシンを入れておくことにした。マイクロマシンとは、体内のガンや病げんきんなどを取り除いてくれるロボットだ。たんぱく質で出来ているので、役目が終わると体に吸しゅうされて消えてしまう。では、人はどうやって送るのか。宇宙で、太陽光発電をし、その電気を地球にいるシャトルに送って発射させる。宇宙では雲や大気がないので、直接多量の日光を受けられる。その結果、ねん料が発電でまかなえるので、エコになる。つまり「エコシャトル」なのだ。
 ぼくたちは、今日地球へ帰っていく人たちに「さよなら」を告げた。そしていつまでも見つめていた。かれらのせ中が見えなくなるまで……。キラッ、地球に向かって一すじの光が流れていった。

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