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22年度開催結果


2010年 作文の部<小学生部門>入賞作品
宇宙航空研究開発機構理事長賞

宇宙を利用した未来のお・ま・つ・り
東京県 板橋区立志村第一小学校5年生  鈴木 彩恵
 
 わたしは宇宙小の五年生。今は五時間目で調べ学習の時間。今日は大好きなおじいちゃんの住んでいる地球の「おまつり」を勉強している。地球には、春夏秋冬という四季があって、気温や景色が変わり、節目ごとに行事が行われているらしい。宇宙育ちのわたしにとって、四季とか季節ってよくわからない。だってここは気温も景色も一年中変わらないから。「おまつり」はその行事の一つ。知れば知るほどやってみたくなっちゃった。
 調べ学習が終わった後、先生に、
「せっかく調べたのだから「おまつり」をやってみたいです。」
と思いきって提案してみた。そうしたらおどろいたことにクラスのみんなもすぐに賛成してくれて、ちょっとホッとした。
「それじゃあ学校全体でやってみましょう。」と先生が言ったので、わたしはとてもうれしかったけれど、提案者ということで、子供代表せき任者になってしまった。こうなったら絶対成功させなくちゃ。
 宇宙生まれのわたしは地球を知らないので、急いでおじいちゃんに「おまつり」について聞いてみることにした。おじいちゃん、実は宇宙嫌い。わたしが生まれたとき来てくれただけなんだって。だから直接会った記おくはないけれど、テレビ電話で話をするからいつも会っている気がしている。
「やあ、さえ、元気だったかい。」
 いつものおじいちゃんの陽気な声がした。
「おまつりについて教えて。」
「いいよ。おじいちゃんはおまつりが大好きなんだ。おまつりというのはなぁ……。」
と、おじいちゃんはとてもうれしそう。そうかぁ、「おまつり」ってそんなに楽しいんだ。今からわくわくしてきた。
 わたしは縁日担当にもなったので、さっそく水ヨーヨーや金魚すくい、射的、輪投げをやってみた。どれもこれもとってもいい感じ。これならみんなも楽しいはず。でも、ちょっと待って。どうせならみんなをおどろかせたい。ここは宇宙。宇宙でしか出来ない「おまつり」があってもいいはず。わたしは一生けん命考えた。
 わたし達がふだん住んでいるところは、地球と同じように生活できるけれど、それ以外のところは、無重力を活かして重いものを運んだり、機械を組み立てたりする工場や研究施設がたくさんある。そこを利用できないかな。お父さんに相談してみたら、いいよって。わぁい、よかった。わたしはさっそくお父さんの会社に試しに行った。
 まずは水ヨーヨー。どこへ向かってたたいてもいいから、コツさえつかめば3Dって感じでとっても楽しい。金魚すくいは、大きな水球の中に金魚が泳ぐのでとってもきれい。でもびしょびしょになりそうだから、レインコートが必要かも。それから射的。フワフワ浮いた景品をねらったのに、外れダマがはね返ってまっすぐ戻ってきた。危ない、危ない。タマをやめて流れ星のような光が飛び出る仕組みに変こうした。当たると光るのでわかりやすいし、夜になったらとってもロマンチック。輪投げはいい方法がなかったのでふ通にやることにした。ちょっとくやしかったので、こだわって輪を土星の輪のようにした。
 本格的に準備が始まった。無重力エリアでは、宇宙幼稚園の園児達が自分よりも大きな飾りを運んでいた。なんか飾りが歩いているみたい。ふわふわ浮かんだものをよく見ると、ポップコーンだった。はじけて飛び出したらしい。目の前に来たから、ぱくっと食べちゃった。ぼんおどりも、宇宙中学のお姉さん達が宙返りしていてビックリ。わたしにもできるのかなあ。なんだかわたしの提案で「おまつり」が出来るなんて夢みたい。せっかくだから地球のみなさんもご招待することにした。
 「おまつり」の日。みんなとってもはりきっていた。近所の人だけでなく地球の人たちも続々とおまつり会場に入ってきた。みんな笑顔で
「宇宙のおまつり、最高!」
と言ってくれ、わたしもやっとホッとした。
 地球の勉強の中から始まった宇宙版「おまつり」だったけれど、本当の地球のおまつりは一体どんな感じなんだろう。地球へ行って実際に「おまつり」を体験してみたい。四季というのを感じてみたい。そしておじいちゃんに会ってみたい。会ってたくさんお礼を言って、いっしょに「おまつり」に連れて行ってもらおう。二人で金魚すくいをしたり、輪投げや射的でどっちがうまいか競争したい。それから、それから……。

 「宇宙の「おまつり」もにぎやかで楽しそうだなぁ。さえ、案内しておくれ。」
 ええーっ。わたしの目の前に、大好きなおじいちゃんが立っていた。

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