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21年度開催結果


2009年 作文の部<小学生部門>入賞作品
日本科学未来館館長賞

「不しぎな宇宙の旅」
岩手県 奥州市立胆沢愛宕小学校5年生  安倍 唯菜
 
 ある日、私に差出人不明の手紙が届きました。そこには汽車の乗車券が入っていました。そして「午前〇時に愛宕原へ」とのメモも。(これは何だろう?)
 愛宕原というのは、日本で一番流星群の多く見られる、私の家の近くの小高い丘です。不しぎに思いつつ、私は夜中に家をこっそりぬけ出し、愛宕原に行って見ました。
 そして、午前〇時。遠くから何か音が聞こえ、空がピカッと光りました。
(流れ星?)
 でも光はすぐに消えず、音と共にだんだん大きくなってきました。光をよく見ると、けむりが見えました。そして
「ポッポー。」
とけむりをはく音がはっきり聞こえました。
「汽車だ!!」
 空から現われた汽車は、私の目の前で停まりました。
 ドアがあいたので、私はおそるおそる汽車に乗りこみました。乗客は宇宙人や動物たちばかりでした。
「何、この汽車!」
 思わず私はさけびました。すると、みんなびっくりした表情で私を見ました。
 私はあわてて、あいていた席にすわりました。そして、となりの宇宙人に
「この汽車はどこに行くんですか?」
と聞きました。
「新しい星をさがしに。」
と宇宙人は答えました。私は
「えっ?」
と驚いてしまいました。車しょうさんが乗車券を見に来たので、私はまた
「この汽車はどこに行くんですか?」
と聞いてみました。すると
「新しい星をさがしに。」
と車しょうさんも答えました。私は急に家族のことを思い出し、さびしくなりましたが、汽車の静かなゆれが眠気をさそい、眠ってしまいました。
 目がさめるとそこは、一面の宇宙でした。春に「奥州宇宙遊学館」でスリーディーシアターを見た時のようなきれいな星がたくさん光り輝いていました。眠っているうちに、他の乗客たちはみんないなくなっていました。(みんな、新しい星を見つけたのかな……。)私はたった一人で、不安になってしまいました。その時、
「次は、コンペイトウ、コンペイトウ星。」
と車しょうさんのアナウンスがありました。
「コ、コンペイトウ星?」
 私は急にお腹がすいてきて
「ここで降ります!」
と言ってしまいました。
 ドアが開いたそのしゅん間、私の大好きなコンペイトウの香りがして、あたりは一面のコンペイトウ畑でした。
「やっ、やったあ!」
 地面をなめると、それはまぎれもないコンペイトウの味です。
「おいしい!」
 赤いコンペイトウに手をのばすとリンゴ味。ピンクは桃の味。緑はメロンの味です。お腹がへっていた私は、次から次へとコンペイトウを食べまくりました。
「そうだ!みんなにおみやげを持って行こう。」
 私はこの星を歩き回って、お母さんには赤いリンゴ味、お父さんには黄色いパイン味、妹の里菜にはぶどう味、菜穂にはミカン味、おじいちゃんにはマンゴー味、おばあちゃんにはイチゴ味のコンペイトウを取ってきて、ポケットに入れました。
「でも、私がこんなに取ってしまったら、この星のコンペイトウがなくなってしまう。私は、環境破かいをしているのかも……。」
 ふとまわりを見わたすと「コンペイトウの種」と書かれた袋が目にとまりました。
「そうだ!あの種をまこう!」
 私のまいたこの種が育てば、私がおみやげにいただいた分のコンペイトウがまたできて、この星の環境は保たれるはず。そう言えば、地球にいたころの私は、こんなこと考えていませんでした。この旅で初めて、地球のことを大切に考えていなかったことを知りました。
「一人一人がもっと地球のことを考えないと、地球環境は破かいされてしまう。私のふるさと地球。ああ、地球に帰りたい。」
 そのしゅん間、私の体は遠くに飛ばされ、くるくる回り、気がつくと私は愛宕原にいました。
「今までのことは夢だったのだろうか?」
 私はポケットに手を入れてみました。するとそこには、さまざまなコンペイトウがちゃんとありました。

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