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21年度開催結果


2009年 作文の部<小学生部門>入賞作品
宇宙航空研究開発機構理事長賞

「かけがえのない星-地球」
鹿児島県 鹿児島市立田上小学校4年生  野中 光泰
 
 もうすぐ、地球に宇宙鳥イカロスがやってきます。
 イカロスは宇宙の先生みたいな鳥で、五千年に一度、地球に何か新しいことを教えにきてくれます。五千年前、地球に来た時は、地球人に天文学を教えてくれました。そのおかげで四大文明ができました。エジプトにピラミッドもできました。エジプトのへき画に鳥の絵がかかれているのは、じつはイカロスなのです。一万年前、イカロスが地球に来た時は、地球人に道具や火の使い方を教えてくれました。それよりもずっと前に来た時は、まだサルに近かった地球人に、「二本足で歩くといいよ。」と教えてくれました。地球人は、イカロスにずいぶんお世話になっています。
 今度イカロスが来たら、何を教えてもらうか、みんなで意見を出し合いました。
 「もっとゆたかな星になる方法!」
 「かんきょう問題をかい決する方法!」
 「エネルギー不足をかい決する方法!」
 イカロスから教えてもらえることは一つだけなので、どれかに決めなければなりません。でも、話し合いがまとまらなかったので、ぼくが地球の代表者として、イカロスに乗せてもらって宇宙の中で一番すばらしい星を見せてもらうことにしました。
 五千年ぶりにイカロスがやってきました。
 「イカロス! 今回は何かを教えてくれるのではなくて、ぼくを宇宙のどこかすばらしい星に連れていってくれないか? 地球を救いたいんだ。」
 イカロスは、やさしい目をしてうなずきました。ぼくは宇宙服を着て、イカロスの背中に乗りました。イカロスは宇宙に向けてどんどん飛んでいきました。
 イカロスが向かったのは、ケンタウルス座アルファ星の三つ子星です。三つの星の重力がつりあっていて、まるでトライアングルがぐるぐる回っているみたいです。おどろいたことに、三つ子のこう星のまん中に、ネイブル星というわく星があるのです。ネイブル星の周りを三つのこう星が回っているように見えます。これは大発見です!
 ネイブル星に下りてみてまずおどろいたのは、三つの太陽のうち二つは必ず見えているのです。この星には、夜がないのです。だから、この星の生物は、ねむることがありません。太陽の光が弱まった時に、少し動作がにぶくなるだけです。
 いつもどこからか太陽が照っているので、ソーラー発電が発達していて、すべての電力は太陽光でまかなわれています。だからエネルギー不足もかんきょう問題もありません。星じゅうが花であふれています。さすがに、宇宙で一番すばらしい星としてイカロスがしょうかいしてくれた星です。
 いつも二つの方向から太陽の光が照っているので、日なたと日かげの差がありません。ゆたかな土地とまずしい土地の差がありません。だから、あらそいが起きません。差別もありません。人をうたやましがる人もいません。おれのほうがえらいといばる人もいません。みんなみんな、同じ立場です。みんなみんな、大切にされています。みんなみんな、にこにこしています。
 この星を見て、ぼくは地球にも太陽がもう一つか二つあったらいいのに、と思ってイカロスに相談しました。「太陽みたいな星を、あと一こかニこ、地球の近くに引っぱって来ることはできないかな?」
 イカロスは言いました。「ちょっと温だん化しただけで、南極の氷がとけて海面が上しょうし、小さな島がたくさん海にしずんでしまうよ。たくさんの生き物も生きられなくなるよ。地球は地球の中でバランスをとっているのだから、よその星から都合のいい部分だけ持ってくるわけにはいかないよ。」
 ぼくは思いました。「そうかあ。ぼくたちの地球は、ほんのちょっとかんきょうが変わっただけで、生物が生きられなくなるんだね。ぼくたち地球人は、やっとのところで生きているんだね。地球って、かけがえのない星で、そこに生まれた命もかけがえのないものなんだね。」
 地球にもどってきて、みんなと話し合いました。「じゃあ、今の地球の問題をかい決するには、どうしたらいいんだろう?」
 「どこかのすばらしい星のまねをするのではなくて、地球は地球なりのやり方で、地球を守らなくてはならないんだね。」
 太陽は一つしかないし、エネルギー不足やかんきょう問題はあるけど、ぼくたちは、がんばってこの地球を守っていかなければならないと思いました。
 五千年ぶりにイカロスが教えてくれたことは、この地球がかけがえのない星だということでした。
 ありがとう、イカロス!

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