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20年度開催結果


2008年 作文の部<小学生部門>入賞作品
(財)リモート・センシング技術センター理事長賞

「みんなの星」
苫小牧市立若草小学校6年生  北谷 愛奈
 
 「もう同じ過ちをくり返してはいけない。」
おじいちゃんが空に浮かぶ赤っぽい星をみながら、いつもの口ぐせを始めた。もう毎日聞いている話なので、今では私もすらすらと言えるようになった。
 今から三ヶ月前に地球は完全にほろびてしまった。その最も大きな理由の一つは、地球温暖化。こんなことになるずっと前から温暖化については話がされてきたみたいだが、皆自分の国のことしか考えていなく、温暖化なんて他人事だと思っていたようだ。そのときの私はまだ小さかったので地球温暖化なんていう難しい言葉はよくわからなくて、父や母に聞いた覚えがある。船にたくさんの荷物がのっていてしずみそうになっているときに、それを自分たちはおろせないから他の国がおろせばいいとおしつけあっているのだな、というふうになんとなく自分なりに理解していたと思う。ところが地球の温暖化は大人たちが予想していたよりもずっと急速に進んだ。そして地球がほろびる寸前になってやっとそれぞれの国は協力し合うようになったのだが、そのときはもう手遅れだった。結局荷物を他の国におしつけあっていたために、船はしずんでしまったのだ。自分が大人になった今、ふと考えるのは当時の大人たちは「どうせ自分は百年後には生きていないから、目先の幸せだけを考えるのが精一杯でそんな先の話は自分には無関係さ」と思い真剣にとりあってくれなかったのだろうか、ということだ。もしそうだったら、その話し合いには温暖化に一番関係のある世界中の子供たちにも参加する権利があったと思う。だって温暖化になったときに実際に生きているのは子供たちとその子孫なんだから。そうすれば子供たちには自分の未来がかかっているので子供なりに真剣に考えたはずだし、今のこの状態にはなっていなかったかもしれない。
 そういうわけで、地球がほろびてしまったあと、今私たちはある星に住んでいる。鉄くさい星だけど、がんばってクレーターに水をためて、地球のわずかな酸素と木々たちを持ち込んで、何とか住めるようにした。
 私たちの星にはもう国というかべなどない。自分たちのことしか考えない国なんていらないからだ。だからこれからのことも全て、皆で話し合って決める。もちろん子供も参加する。昨日話し合った結果、色々な案が出た。
「今度は二度と戦争を起こしてはならないね。」
「もう肌の色などは関係ないね。」
「これからは子供の意見もきちんと聞こう。」
 たくさんの意見が出て、最終的に「国など関係なしに、大人も子供も皆仲良く生きる」とまとまった。地球にいるときよりよっぽど平和だ。最初からこうであれば戦争などおきなかったから、多くの人々が死ぬこともなかったのに、と思った。
 明日も皆で話し合うことに決まった。テーマは「これからこの星をどうすべきか」。私は頭をフル回転させて考えた。まず、地球で四年に一度、必ず行われていたオリンピックをやりたい。それから、酸素と二酸化炭素の量のバランスを取るために、木をたくさん植えなければならないと思う、クレーターの海にはえびや魚、いかやたこ、それにいるかやくじらなども泳がせたい。公園や学校も造って、温暖化になる前の地球のような、楽しくて活気あふれる街づくりをしていくといいなと思う。
 次の日、話し合いが行われた。昨日よりも具体的なことがたくさん決まった。例えば、一家に一本は木を植えること、今までどおり四年に一度はオリンピックが行われること、一人一台必ずほん訳機をつけること・・・・・・。この決まりによって空気は今までよりももっときれいになるはずだし、皆も言葉が通じ合うからもっと仲良くなるはずだ。早くいろんな人と友達になりたい。私はうれしくて胸がおどった。
 その日、うれしいニュースがあった。なんと、この星の地下から石油に代わる資源が見つかったというのだ。私たち人間は悲しい過去を乗りこえながらも少しずつ進歩してきている。もう戦争や資源の無駄づかいはしないだろう。空を見上げると、いつでも真っ赤に輝く地球が私たちを見下ろしている・・・・・・。
 最後にこの星はどこって? この星は昔は火星といわれていたらしいけど、今は日本語に直すと「みんなの星」という意味だ。変な名前って思う人がいるかもしれないけど、私はこの名前を結構気に入っている。


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