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19年度開催結果


2007年 作文の部<小学生部門>入賞作品
(財)日本宇宙少年団理事長賞

『「命の星・地球」 ~月が教えてくれたこと~』
つくば市立桜南小学校5年生  正田 真悟
 
「おじいちゃん!修学旅行で月に行けることになったよ!」
「それはよかったのお。わしが小さかったころは、宇宙に行けるのなんて、宇宙飛行士だけじゃった。宇宙旅行なんて、ゆめのまたゆめだったからのお。」
 おじいちゃんがぼくと同じ小学五年生だった二〇〇七年は、月探査衛星「かぐや」が打ち上げられた年です。「かぐや」はたくさんの月の発見を地球に持ち帰ってきました。それから月の開発が急速に進むようになったのです。
 今では多くの小・中学生が、修学旅行で月に行くようになりました。
 子どものうちに宇宙や月の生活を体験することで、宇宙のすばらしさや地球の大切さを知ることができると考えられているからです。
 いよいよ出発の日がやってきました。大型の宇宙船に学校のみんなと乗って、見送りの人たちに手をふります。もちろんその中にはぼくの大好きなおじいちゃんも。
 ぼくはおじいちゃんに見えるように、小さな箱を持ち上げました。この箱の中には月へのおみやげが入っています。おじいちゃんとぼくが毎日大切に育てた、さなぎからかえったばかりのホタルです。
 月面コロニーに着くと、たくさんの月の住人がにこにことむかえてくれました。
 ぼくたちはまず、月のエコシステムについて教えてもらいました。月は地球とちがって、もともとの大気や水はありません。月面コロニーにある大気や水や植物や食物は、みんな人間が苦労して作りあげたものばかりです。
 だから、みんな物や環境をとても大事にしています。使い終わったものはすべてリサイクルです。例えば、短くなったえんぴつは木としんに分けて、他のえんぴつを作ることに利用されます。また、食べ物をできるだけ残さないようにして、もし残ったら肥料にして完全に再利用しています。はい気ガスの処理はとてもむずかしいので、みんな歩いたり自転車に乗ったりするようにしています。
 環境のじゅんかんにとても気をつかっているのです。
「でも、もっと大切なことがあるんです。」
と、月の人が言いました。みんなは(なんだろう)と顔を見合わせました。
「それは争いや戦争をしないことです。もしここで争いが起きて、だれかが大気発生そうちをこわしてしまったら、たちまちコロニーの空気がなくなってしまいます。ケンカをして、どこかにあながあいたら、せっかく作った空気はみんな宇宙ににげてしまいます。
 月の環境を守るためには、みんなで仲良くすることが一番大切だと考えているんですよ。みなさんは、そのためにはどんなことがいいと思いますか。」
「はい!」
 ぼくは大きな声で手をあげました。
「いつも笑顔でいることがいいと思います。」
「そうですね。笑顔でいると、ケンカや争いも起きませんからね。言葉が通じなくても、笑顔でいると心が通じることもあるんですよ。みなさん、地球に帰ったらいつもにこにこして、みんなで協力して、やさしい心を持ち続けてくださいね。」
 ぼくは、地球から持ってきたおみやげのホタルを月の人たちにわたしました。
「ホタルはきれいな水と空気でしか生きられないので、月の環境を守るのに役立ってくれるでしょう。大切に育てますね。ありがとう。」
 月の人たちもぼくも、にこにこ笑顔になりました。
 帰りの宇宙船から見た地球は、青くて、美しくて、ほんとうに命の星だと思いました。
 地球に水があって、大気があって、たくさんの生き物が住めるようになるためには、四〇億年の時間が必要でした。
 地球ってすごいなあ……。宇宙ってふしぎだなあ……。
 ぼくはこの命の星を、もっともっと大事にしようと思いました。
 この地球で、ぼくの孫も、他の生き物たちも、ずっとにこにこ笑顔でくらせるように。


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