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17年度開催結果


2005年 作文の部<小学生部門>入賞作品
(財)日本宇宙少年団理事長賞

「たろべえ地球旅行記」
北海道教育大学附属釧路小学校3年生  長谷川 隆朗
 
  ぼくの名前は、銀河たろべえ。土星に住んでいるので、他のわく星のことはあまり知らない。知っていることは、土星の他に地球というわく星があるということだけだ。
  今は西暦二〇三五年。むかしぼくが子供だったころ、おじいちゃんが大切に使っていた望遠鏡で、地球を見たことがある。
「ほらたろべえ。のぞいてごらん。」
「うわぁ。すごいきれいな星だね、おじいちゃん、何という星なの。」
「そうだろう。あれが、おまえの見たがっていた地球という星だよ。」
ぼくは、地球の美しさにびっくりして、望遠鏡からはなれられなかった。ぼくのおじいちゃんは、とても有名な天文学者で、星のことで知らないことは一つもない。
「あの、青い部分は何。」
「水がたくさん集っている、海というものだよ。あの水は、しおからいんだ。」
おじいちゃんは、ぼくになぜ海の水がしおからいのか、話してくれた。他に、陸や雲のことも話してくれた。ぼくは、それ以外にもたくさんのしつ問をおじいちゃんにした。
  それ以来、ぼくは地球に行ってみたいと思い、ロケットの開発者になるため、もう勉強を始めた。銀河コロンビア大学に入学して、今は、その大学のロケット開発研究員だ。
「ついに、やったぞ。」
  七年間かかって、地球に行くためのロケットが完成したのだ。その名は、ビューティフルアース号。子供のころの夢が、あと一歩でかなうのだ。
  ぼくは、地球行きの準備を始めた。土星のきまりで他の星へ行く時は、きょかをもらわなくてはならない。そして、体力テストや筆記試験もある。これも、また大変なのである。幸運なことに、ぼくは一度でその試験に合格した。
  とうとう、その日がやってきた。
「10・9・8・7・6・5・4・3・2・1、イグニッション。」
  ビューティフルアース号は、地球へと飛び立った。最初は小さく見えた地球が、だんだん大きく見えてきた。ビューティフルアース号の着陸場所は、ロシアと前から決めていた。その理由は、地球温暖化で永久凍土がとけてその中でねむっていたマンモスが見つかり、三日後に生き返ったと、宇宙土星ニュースで知ったからだ。ぼくは、そのマンモスを見たかった。
  やっと、ロシアに着いてマンモスを見ることができた。
「うわぁ。マンモスって、あんなに大きいんだ。あれは、ケナガマンモスだな。」
その周りには、人間は住んでいないようだ。ぼくが今まで見たことのない、木や花が咲いていた。やっぱり、地球はきれいな星なんだ、とぼくは思った。
  次に、ビューティフルアース号につんでいたミニ飛行機に乗った。三十分ほど飛ぶと、大きなタワーがたくさん見えてきた。
「あそこに、人間が住んでいるのかもしれない。行ってみよう。」
  ぼくは、そこに着陸した。そのまわりは、さっきとは大ちがいだった。ゴミは、たくさんおちている。大気汚染も、かなりのものだ。木も花も、しおれている。流れている川の水は、ドロドロしている。なんということだ。あんなに土星から美しく見えた地球が、本当はこんなにきたなかったとは。ぼくは、目をうたがって、その場を動けなかった。気がつくと、ぼくの右のかたに鳥が止まっていた。その鳥は、ぼくにこう教えてくれた。
「人間は、おろかなものだよ。後のことなどちっとも考えなかったのだから。ゴミならなんでも、うめてしまえばいいと思っていた。工場から出るけむりにも、おかまいなしさ。飛んでいて、前も見えなかったのだから。車の排気ガスも、ハイブリッドカーというやつができたけれども、やっぱり元にもどってしまったのさ。そのせいだよ、見てみな、木も花もこのありさまさ。そして、汚いものを何でもすててしまったものだから、川には魚いっぴきいやしないのさ。」
  ぼくは、鳥にたずねてみた。
「じゃ、どうやって人間は生活しているの。」
「知らないのかい。ここに、人間なんていやしないよ。この星にもう住めないと言って、新しい場所を求めてたび立ってしまったんだよ。今から五年前の、2030年のことさ。」
  ぼくは、ショックを受けて土星に帰ることにした。とちゅう、後ろをむいた。やっぱり地球は、きれいだなと思った。ぼくは、心に決めた。人間たちが、また地球に住めるようにするために新しい研究をはじめること。そして、もう一つは、ぼくたちの土星を大切に守り、きれいな星にするということを。


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