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15年度開催結果


2003年 作文の部<中学生部門>入賞作品
独立行政法人 航空宇宙技術研究所理事長賞

「『ようこそ火星へ』マーズ暦×××年」
川崎市立宮前平中学校2年生  谷内 稜
 
  今、火星は新しい地球になろうとしている。

 かつて、大気の圧力は地球の百分の一、しかも九十五%が二酸化炭素。水も無い。とても人の住める所ではなかった。
 この火星が、人の手によって大気中に酸素が多く、人間にとって住みやすい星に造りかえられた。
 酸素を作る方法は色々と考えられた。一つ目の方法が光合成だ。酸素が増える前の火星はとても寒く、太陽の陽があたらない場所では、大気中の二酸化炭素が凍ってドライアイスが出来るほどであった。このドライアイスを太陽に当てて気体にして植物に光合成をさせた。最初はツンドラ気候のようなところでも生息できるコケ類の植物から始まった。しだいに気温が上がってくると、地球からいろいろな植物が大量に送り込まれ、酸素が多く作られていった。そして、今、火星には多くの森ができた。
 二つ目の方法として、火星にある氷を電気分解することも考えられた。二十一世紀ごろの電力は火力発電や原子力発電に頼っていたそうだが、今ではそのような方法ではなく、核融合発電を行っている。これであれば電気分解して出来た水素を使って核融合もできるのだ。今は核融合発電のみが使われ、これ以上二酸化炭素が大気中に増えないようにしているので、温暖化や、大気汚染などが問題になっている地球に比べ、環境の良いところとなっている。
 酸素を作り始めたときは、ドームの中のみに酸素をいれて生活していたが、最近では、ドームが必要なくなった。なぜなら、十分な酸素が大気中にあるからだ。
 しかし、今度は水が足りなくなった。そこでマーズ政府は、宇宙にロケットを打ち上げて宇宙にある微小な水素を集めさせ、核融合で水を作った。  昔の火星に比べいまの火星はとても素晴らしい星になっている。昔の火星は、二酸化炭素と赤い酸化鉄を多くふくんだ土のさみしい星だった。しかし、今は違う。地球にあったアマゾンの森林のようにたくさんの木が密集している。
 核融合が発達している今では、好きな物質が作れるようになった。貴金属である金や白金などや、重力の少ない火星でしかできないいろいろな物質や結晶などがたくさん輸出されている。火星ではたくさんの研究がなされ、科学技術が進歩した。
 しかも、火星は科学技術の進歩だけでなく、地球の絶滅危惧種なども繁殖させ、生物学の研究も進んでいる。
 このように、科学や技術が進歩してもどうしても解決できない問題が二つ残った。どちらも、火星の質量が地球の質量の十分の一であることが理由である。
 ひとつ目は重力が地球の五分の二しか無いことである。道を歩くと、体がふわふわと跳びはねてしまい、どうしようもない。そこで人々は、靴の底に強力なネオジム磁石を埋め込むことでこの問題を解決することが出来た。火星の大地には、鉄分が多く含まれていることをうまく利用したわけである。
 もうひとつの問題は大気が薄いことである。初めは酸素供給のために宇宙帽をかぶって生活していたが、人々の体が少しずつ順応していき、今では誰も宇宙帽を利用していない。
 しかし、地球からの観光客だけは、いまだに宇宙帽を身につけているので、すぐにわかる。この緑豊かで空気のきれいな火星の大気を直接呼吸できない地球人を見ると気の毒な気がする。

 今、火星の人口密度がふえている。マーズ政府は新たに、アンドロメダ星雲の中から、太陽系に似た所を見つけ、そこに移住する計画をすすめている。宇宙は広いのだ。またどこかに第二の火星があるのかもしれない。


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