「一般財団法人日本宇宙フォーラム」トップページへもどる 「宇宙の日」ホームページへ戻る
「宇宙の日」ホームページ

 

15年度開催結果


2003年 作文の部<小学生部門>入賞作品
日本科学未来館館長賞

「マーズ・クリーン運動を展開せよ」
本荘市立尾崎小学校6年生  佐藤 華純
 
  「ようこそ火星へ!」今、火星では喜びの声があふれる中、せい大なテープカットが行われている。「火星は美しい星にもどったのだ! お客様をむかえるにも喜ばしい美しい星になったのだ!」火星の人工都市の市長さんが涙を目いっぱいにうかべながら言う。その瞬間、火星中からはく手と喜びの声がわき起こった。

 今から十五年前の火星。そこは、足のふみ場もないほどのごみだらけの地だった。これはすべて地球人たちが捨てたごみだ。「地球はごみの多い星だ。ごみ捨て場なんかもう全然たりない。だから、広大な土地を持つ火星に、地球で出たごみを全部捨ててしまおう。地球人のごみ捨て場は火星だ。」地球人はこう考えてしまったのだ。
 その日から「ごみ捨てロケット」が出来上がり、毎日毎日地球のごみは火星に捨てられていった。こうした理由から、地球は青く輝き、火星はごみにうもれるという宇宙が出来上がってしまった。

 「三、二、一、GO!」ある日地球から火星にむかって小さなロケットが打ち上げられた。乗っているのは、小学六年生のマモル。「総合的な学習」でごみ問題を調べているマモルは、火星のごみに興味を持ち、調べにいくことになったのだ。
 火星に着いたマモルは、火星のあまりのひどさに声も出せなかった。赤く輝くはずの火星は上空から見ると灰色に沈んでいた。人工都市の市長さんにインタビューすると、ごみのせいで地下水は汚染され、原因不明の病気もはやっている。人工都市に移住する人や観光客は激減してしまったということであった。「これは何とかしなければいけない!」そう思ったマモルは地球に帰ってから、火星の様子をみんなに伝え、火星のごみをなくすようにうったえた。

 ところが、地球人はなかなか火星について考えようとはしなかった。この地球が美しい星でいられるのも、火星がごみ捨て場になっているおかげだ。今、火星をきれいにするということは、地球をまた汚すことになるのだ。
 しかし、マモルはあきらめずにうったえ続けた。街頭でうったえ、町内会で演説し、テレビやラジオにも出演した。そのおかげで、一人二人とマモルの考えに賛成してくれる人が現れてきた。
 そして、五年後、ついに地球全体が立ち上がった。地球人による「マーズ・クリーン運動」が始められることになった。マモルのうったえは五年間かけて地球人の心を動かし、それが大きな輪に広がっていったのだ。

 「ごみ捨てロケット」は「ごみ拾いロケット」に作りかえられた。毎日、火星のごみを地球に持ち帰った。地球には大きなごみ処理施設がつくられ、地球人はボランティアで来る日も来る日もごみの分別を続けた。リサイクル出来るものはすべてリサイクルすることにした。どうしてもリサイクルできないものは、最初はどうしようか悩んだが、ノーベル賞受賞の博士たちがプロジェクトチームを作り、害を出さないまま土に変えてしまう「なんでも処理機」を完成させ、問題は解決した。地球人一人一人の自覚と努力が、少しずつ火星を変えていった。

 そして十年後、火星は赤い輝きを取りもどした。火星は、ついに美しい星にもどったのだ。

 「ようこそ火星へ!」「ようこそ火星へ!」火星では、せい大なお祝いが行われている。
「火星のみなさん。火星をごみだらけにしてしまったのは私たち地球人でした。本当にごめんなさい。これからも美しい宇宙を作っていくために協力していきましょう。」地球の代表者がこのようなあいさつをした。
「人はみんな、自分のことだけでなく、まわりの人のことも考えて生きていかなければなりません。それが宇宙に住む私たちの義務なのです。」人工都市の市長になっていたマモルは、このように話し、赤く輝く星を見つめた。宇宙はこれからどんどん美しくなっていくことだろう。


もどる