「一般財団法人日本宇宙フォーラム」トップページへもどる 「宇宙の日」ホームページへ戻る
「宇宙の日」ホームページ

 

14年度開催結果


2002年 作文の部<中学生部門>入賞作品
(財)日本宇宙少年団理事長賞

「ちょっぴりなつかしい駅」
春日部市立大沼中学校3年  渡辺 未里
 
「ここが銀河中央駅なの。地球とあまり変わらないんだなあ。」
一昔前は宇宙は神秘のベールに包まれていて、宇宙に出かけるなんて夢物語だったのに、一般人が自由に地球を飛びだせるなんて、今の科学技術に感謝しなければならない。
銀河鉄道の乗客は地球人だけではなかったのも事実だ。どこからともなく乗ってくる宇宙人は、私の想像をはるかにこえていた。地球で言う“妖怪”に近いものもいれば、実体がなかったり、形のない者までこの列車の旅の仲間になった。
列車から降りて数メートル歩くと、こぼれんばかりの光が。周りを見ると不思議な光を放つ建物が立ち並んでいる。ここ、銀河鉄道駅は大きな繁華街となっている、宇宙有数の大都市ならず“大駅”なのだ。
そしてここにはもう一つ、今までにない大きな特徴があるのだ。この街のモットーは、
『かけひきのない、豊かな交流』
なのだ。だから、ここではお金は通用しない。つまり、店なんてどこにもない。この星の人々は自給自足の生活をしながら互いに助け合い、欲におぼれることなく平和に暮らしているのだ。また、ほとんどの人は、この駅の街を宿場町として利用する。だからどうしてもが必要になるので、街の人々は旅人を無条件で受け入れ、家族のように生活し、滞在する、いわゆる“ホストファミリー”のような義務を負っている、というわけだ。
私はこの駅で一つ気になっていたことがあった。この街の人はみな、仮面や大きな帽子等で顔を隠しているのだ。家に帰ると仮面を取り、出掛けるときには顔を隠す宇宙の家族。自分の存在に気づかれたくないのか、それともただの流行なのか、理由は分からないが、そんな彼らに少しばかり、不審を抱いていた。何度かそのことについて尋ねてみたが、何も答えなかった。
そんな人々が生きる駅には、毎日、いろいろな人々がやって来る。それと同じくらいのスピードでこの駅を去っていく人がいる。大きな宇宙人から、小さな宇宙人、がっしりしたのから、アリのように小さな人まで。
この街にも歴史がある。しかも、地球に似た形、博物館のようにして残すことが多いらしい。そこには、こんな歴史が残されている。

『この駅のモットーは、かけひきのない、豊かな交流。その中には、ある一つの歴史が関わっているのだ。
そもそもここは、一つの小さな駅だった。ここは、銀河鉄道によって、四方八方につながっている中央駅。ここからならどこへでも行ける。ここが栄えればもっとすばらしいだろう、と思った宇宙政府は、あちこちに行ってこの駅をすすめ、呼びかけた。
そうして出来上がったのが今ある中央駅だったのだ。』

直訳するとこんな感じになるらしい。宇宙語なのでよく読めないのだ。
一見良い所だと思うかもしれないが、と文は続く。

『一見良い所に見えるが、一つの大きな問題を抱えている。それは、宇宙人種差別だ。その中で最もひどいのは、姿を見ただけで話しかけることすら拒否することだった。
このままでは我々のモットー、豊かな交流に反してしまう。だから彼らに仮面を義務づけた。
そしてこの問題は現在も続いている。』

この駅にたくさんの姿、形をした宇宙人がいたのは移民の駅だったから。地球人があまりここへ行きたがらないのは差別のためだったのか。
そうして夜空を見上げると、地球と何も変わらない、見なれた夜空に、いつもの星達が輝いていた。

これが私の夢みる宇宙の姿、中央駅の姿です。
地球とかけはなれた不思議な世界に思えて、実は地球と似た面をもちあわせている。すてきな所はたくさんあるけれど、問題もみんなで抱えている。つまり完璧ではない未完成の街。
でもそれを乗りこえた時には、全宇宙に何かを残してくれるでしょう。
全宇宙のふるさとのような駅、銀河中央駅。
私はこの作文のように、宇宙との交流を持ちたいです。だれもがふるさとを思いだすなつかしさがあふれる駅は今日もにぎわっていることでしょう。


もどる