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14年度開催結果


2002年 作文の部<小学生部門>入賞作品
(財)日本宇宙少年団理事長賞

「銀河中央駅で」
奈良市立伏見小学校6年  猪川 千晶
 
「銀河中央駅、銀河中央駅」
車内アナウンスが流れた。大きく背のびを一回して荷物をまとめると、私は駅におりた。やっと着いた。やっぱり車中二泊の旅は長かった。
地球から銀河中央駅までは、三種類の銀河ロケットが出ている。特急なら一時間で着くけど費用は十万円もかかる。快速なら十五時間かかって費用は一万円。どちらも私のおこづかいで払うには高すぎる。だから二日かかるけど二千円で往復できる、普通ロケット銀河一号に乗ったのだ。
銀河一号の中は快適だった。食事もおいしいし、スポーツ施設やゲーム機なども自由に使えた。ベットは小さめだったが、フカフカしていて気持ちよかった。唯一の欠点はお風呂に入れないことかな。宇宙では水は貴重なのだ。宇宙体験が目的ならこんなロケットでゆっくり旅するのもいいかもしれない。
でも私の目的は、ここ銀河中央駅でメダちゃんと待ち合わせして、銀河スーパーランドで一緒に遊ぶことだ。

メダちゃんとは、一年前家族で宇宙旅行した時に知り合った。それからずっとワープ通信を使ってメールの交換をしてきた。一年ぶりに会う約束をした時、この駅を待ち合わせ場所に決めたのは、お互いの星から行きやすい銀河の中心にあって、銀河スーパーランドも近くにあるからだ。私の一人旅には絶対反対の母も、銀河中央駅へ一人で行くことには何も反対しなかった。悪いことをしようと考えている人をチェックできる機械が発明され、この機械で危険とチェックされた人はロケットに乗ってはいけないきまりになったので、宇宙で悪いことをする人は一人もいなくなった。だから、宇宙はこの世の中で一番安全な場所になり、私のような子供でも安心して一人旅ができるのだ。

時計を見ると待ち合わせ時間までまだ十分ある。私は駅の中の喫茶店に入った。一番奥の席に案内されると、私はあちこち見回した。銀河中央駅に来たのは初めてなのだ。ウエイトレスさんは星色に光る星型の制服を着ていた。この喫茶店も駅もとても明るく、居心地がいい。
この店には大きな窓があり、私のすわった席から駅の様子がよく見えた。大勢のひとが行ったり来たりしているが、地球人の姿はあまり見えない。
こんな状態を見ていると「今、私は宇宙にいるのだ。」と実感できてワクワクしてくる。背広を着たビジネスマン風の人が足速に通りすぎて行ったり、観光旅行らしいお年より達のグループが楽しそうに笑いながら歩いて来る。
ロケットが到着したと思ったら、そこから修学旅行のような団体がおりてきた。私も中学校の修学旅行で銀河一周旅行ができるといいな。

それにしても、なんて広くて明るくて活気があるのだろう。さすが銀河の中心として造られた駅だ。ここは、銀河社会の政治、経済文化の中心地となるように銀河の中央に開発された星の玄関口なのだ。この星の衛星に銀河スーパーランドという大きなリゾート施設が出来てからは観光客もどっとつめかけるようになった。
私もメダちゃんとその銀河スーパーランドで遊ぶ予定なのだ。雨が降らないといいな。北ホームのかべが赤色だから天気は晴れ。西ホームのかべの十分の一が青色だから降水確率は十パーセント。雨の心配はないようだ。ホームのかべの色で天気や降水確率がわかるとはとても便利だ。ちなみに、東ホームのかべは気温で、南ホームのかべは風力で、色が変化する。ホームのかべに株価を表示すべきだという意見があるらしいけれど、私はそれよりも映画をながしてくれた方がいいな。

そんなことを考えていたら、「待った-?」という声がして、メダちゃんが立っていた。いつも画像つきのメールをやりとりしていたから、一年ぶりに会ったという気がしない。
千味ドリンクとコスモドリンクを注文して、二人で半分ずつ飲んだ。千味ドリンクは一口飲むごとに味が変わった。いちご味やソーダ味などはとてもおいしかったけど、中にはとんでもない味もあった。「これってハリー・ポッターの百味ビーンズのパクリかも?」とメダちゃんとしゃべった。コスモドリンクは自分が想像する味になった。文化や食生活だけでなく、体の造りまで異なるさまざまな星の人々が皆おいしいと感じるためには、こういう飲み物がふさわしいのかも。
銀河スーパーランドへのシャトルロケットの発車ホームへメダちゃんと行く途中、おみやげ物屋さんを見つけた。土星型ケシゴム、銀河中央駅の立体写真絵葉書、銀河中央駅用星座早見表、等々。他にも妹が喜びそうな物がたくさんあった。妹にも何か買ってやろう。メダちゃんにも妹がいる。「来年は妹も連れてこようか。」と、メダちゃんと二人で話しながら、シャトルロケットに乗りこんだ。
さあ、おもいっきり遊びまくるぞ!!


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