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14年度開催結果


2002年 作文の部<小学生部門>入賞作品
文部科学省宇宙科学研究所長賞

「銀河弁当大作戦」
本荘市立尾崎小学校5年  佐藤 華純
 
ここは銀河中央駅。この駅には、毎日、この駅で売る駅弁をとどける列車がやってきます。今日もやってきました。
「毎日ご苦労様です。」
駅員さん達は、毎日弁当配達の弁さんにお礼を言います。
「いえいえ、がんばってください。」
弁さんは優しいお礼に元気に答えると、列車に乗って次の駅に行ってしまいました。
ほかほかの弁当を手に、改札口にもどる駅長さん。その顔は、言うまでもなく、もちろん明るい笑顔です。この駅弁は銀河中央駅の名物で、みんなに愛されているのです。

ある日のことでした。今日も駅弁を楽しみにしている駅長さんのもとへ、一本の電話がかかってきました。電話の声は弁さんでした。
「あ、もしもし――。弁です。ゴホゴホッ。」
「いやぁ、弁さん。ん……かぜですか。」
「はっ、ゴホゴホッ。はい……。かなり重いかぜでね。」
「それは、おだいじに。」
「どうも……。」
「で、駅弁はどうなるの。」
「それが……。苦しくてね……。ちょっととどけられないんだ。お医者さんは、三か月はねてなさいって……。」
「えっ。えっ。」
「ゴホッ。ゴホゴホ……。ごめんなさい。」
「そうか……。あ、おだいじにね。」
「はい。さようなら。」

駅長さんは、そっと電話を切って、どかっといすにすわりました。
「さぁ……どうしよう。」
弁さんから三か月も弁当がとどかないとしたら……。
「そうだっ。」
駅長さんは子供のようにいすからとびおりました。その勢いでいすがひっくり返ってしまいました。でも、駅長さんは気付きません。
駅長さんはその思いつきをみんなに話しました。それには、みな手を打ってさんせいしました。

次の日、駅長室にテーブルがおかれていました。その上にはいろいろな食材が乗っています。そうなのです。ここは銀河中央駅。駅員さん達は、銀河系の各地にお願いしていろんな食材をたった一晩で集めてしまったのです。
テーブルの上の食材は、銀河系のいろいろな星から送ってもらったかぜによくきく、体にいい食材です。銀河のはくちょう座方面のレーモン星からは、熱をたちまち下げてしまう木の実がとどきました。双子座方面のリーゴン星からは、せきをぴたりとおさえる野菜がとどきました。さそり座方面のスーイカン星からは体の痛みをあっという間に治してしまう卵がとどきました。どれも、銀河一の食材です。また、メーロン星の銀河直営農場からは、栄養満点のメーロン鹿の肉がとどいています。銀河はずれミカミカ星からは、千種のミネラルをふくむ銀河一の天然水が、超高速エキスプレスでとどけられました。そして駅長さんのふるさと地球からは、宇宙ナンバーワンのめいがら米、あきたこまちを送ってもらいました。駅長さんは、弁さんにかぜの治るお弁当を作ってあげようとてい案したのです。弁さんに早く元気になってほしかったのです。
イチゴン星出身の駅員、カンポーさんがリーダーになって弁当作りがはじまりました。料理が苦手な人も、野菜を切ったり、肉を焼いたりしました。

二時間以上がたちました。テーブルの上には一つのお弁当箱が乗っています。
「できたね。」
「できました。」
「この世にたった一つしかない銀河弁当だ。」

三日後、弁さんは元気に駅にやってきました。もうかぜはすっかり良くなったようです。
「このあいだは、本当にありがとう。」
弁さんは何度も何度もお礼を言いました。
「この銀河にあんなすばらしい食材があるなんてちっとも知りませんでした。私達はもっと銀河のことを理解しなくてはいけませんね。そして銀河のいろいろなことを知っておけば、困っている人、苦しんでいる人を助けてあげられるでしょう。このことを銀河弁当に教えてもらいましたよ。」
そう言って、弁さんはいつもの駅弁を駅長さんにわたして、忙しそうに、次の駅に向っていきました。


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