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12年度開催結果


2000年 作文の部<中学生部門>入賞作品
文部省宇宙科学研究所長賞

「がんばれ!クリーン星人」
岡崎市立美川中学校3年  田辺 あか里
 
  われわれクリーン星では、毎日とても忙しい。なぜならば、ここは宇宙に散っているスペースデブリを回収するための星だからである。スベースデブリというのは、使用済みの人工衛星やロケットの残がいがゴミになってしまった状態をいう。われわれは、宇宙をクリーンにして事故を防ぐために、毎日働いているのである。

 最近、地球という星から発生するたくさんのデブリがいろいろな事故を起こしていて、クリーン星に苦情が殺到している。そのたびにデブリを回収しなくてはならないので、われわれはとても迷惑しているのだ。彼ら地球人も、デブリの数の多さに「困った、困った。」と騒いでいるようだが、もっと困っているのは、われわれクリーン星人なのである。しかし彼らは、まだそれに気づいていない。
 宇宙ニュースによると、地球では「環境問題」といって、星自体を汚しすぎ、現在みんなで美しくしようと努力しているという。まったくこの星は、汚すことが好きらしい。そして、大きな問題が起こってはじめて、みんなでワイワイと騒ぐのである。

 そこで、われわれクリーン星人は話し合った結果、今日、代表者を地球に派遣して、地球のデブリが宇宙の仲間にとても迷惑をかけていることを伝えることにした。

 宇宙メールで彼らにそのことを連絡すると、他の惑星からのお客さんは初めてだそうで、地球人は大騒ぎ。われわれが襲撃するのではないかと言い出す者もいれば、捕まえてホルマリンづけにして、「宇宙博物館」に展示しようと言い出す者までいた。われわれは、訪問する内容を宇宙メールで送って、やっとわかってもらった。

 われわれが地球の「種が島」という所に着陸すると、「歓迎、クリーン星のみなさま」と書かれたプラカードをみんながニコニコしながら持って出迎えてくれた。プラカードの横には、頭と目ばかり大きくて、へんてこな顔が描かれていた。どうもその絵は、地球人がわれわれクリーン星人を想像してかいてくれたらしい。おいおい、われわれはそんなおばけみたいな顔じゃないんだぞ……、と思った。とにかく地球人は、考えていたよりも礼儀正しくて、優しいということがわかった。

 会議で、地球のデブリに宇宙のみんなが迷惑してると話すと、地球人はみんな「メモ」というものをとって、熱心に聞いていた。そして、
「ご迷惑をおかけしました。今後は注意します。」
と答えて、全員で頭を下げた。クリーン星では、頭を下げるのは怒った時なので、初めはとてもびっくりした。しかし、これは反省している地球人の表現だとわかって安心した。(ホッ!)

 そのあと、歓迎パーティーが開かれて、きれいな色のロケットをたくさんうち上げてくれた。あー、それもデブリになるのに……。彼らは結局何もわかっていないのだと思った。あのメモは一体何のためだったのか。(ショック!)
「デブリが一つ……。デブリが二つ……。」

 われわれは、歓迎の記念ロケットが打ち上げられるたびに、大きなため息をついて空を見上げた。

 パーティーの最後に、クリーン星人のわれわれに、「感謝状」と書かれた紙と、友好の印のメデルをプレゼントしてくれた。この星に来る前は、地球人というのは宇宙を平気で汚すわがままで、いやな集団だと思っていたが、なかなか楽しくてすてきな仲間達だった。

 帰りの宇宙船の中で、われわれは今後のクリーン活動について話し合った。宇宙環境のために、まずデブリを出さない方法を地球人に教えることが大切だという意見が多く出された。そこで、クリーン星立大学から、エコ学長を地球に派遣することに決めた。そして、回収したデブリをリサイクルして、デブリによる事故を防ぐ道具を地球にプレゼントすることにした。われわれの胸には、地球人からプレゼントされた友好のメダルがキラキラ輝いている。

 こうして、われわれクリーン星人の長くて忙しい一日が終わった。(あー疲れた……。)

 これが今日の宇宙ニュースである。

おわり


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