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9年度開催結果


1997年 作文の部<中学生部門>入賞作品
宇宙開発事業団理事長賞

「だれもが宇宙アンバサダ」
穂積町立穂積中学校・1年  浜口 智之
 
 私は、宇宙アカデミーのアンバサダだ。
 宇宙アカデミーは、うずまき銀河の内にあり、私の任務は、銀河系の中での外交や、親善にあたる。このはてしなく広い宇宙で生きている生命と共に、理解しあい、共存して行くことを中心に考えたセクションだ。
 突然ある星から、一つのメッセージが届いた。メッセージには、地球という星をもっと理解したいという内容だった。彼らの持っている地球の知識とは、水のかたまりというイメージがあり、人間は水玉に、目、口が付いていて動く生物ぐらいだけだった。確かに人間の体は、水が七十%で作られているので、そのように見えてしまったのだろう。
 私は人間、そして地球というものを一人の地球人として、彼らに語ってみることにしよう。
「こんにちは。おめにかかれて、とてもうれしく思います。今から地球の心をお聞かせしましょう。あなたが思われたように、地球は水の星と言ってもよいでしょう。その水から命が生まれ、私達がいるのですから。地球は水からさまざまな命を与え、そして育てあげてきました。水より小さな命が生まれ、その小さな命は、新たな生命を生み出し、次々と進化させていったのです。人間もあらゆる命に守られて生きてきました。地球は水から命を、くさりの様につないでいったすばらしい星です。気がつかれたと思いますが、地球には、むだというものがなく、共に生命は生きてきました。水をもらい、太陽の光に守られた生き物は、次の命に新たなエネルギーを与え、幾重にも、年月をついやして今に至りました。
 しかし、今私達の廻りは異変がおきています。異常気象、そしてオゾン層破壊から、酸性雨といったように。
この様な現象は、人間が作り出したものなのです。人間は道具を使い、考え工夫することで文明を造り生きてきました。しかしその中には、地球を思っての文明造りもあれば、自分だけのことしか考えず、ただ地球を利用する人間もいるのです。そこで生ずるものは、戦争です。人間のおごり、たかぶりから数々の命がうばわれていったのです。
 しかし私達人間は、地球の仲間です。何億年もかかって、築き上げてきた地球の心を持っています。自分を守るということは、地球を守ること、そして宇宙を知ることだと気づき活動を始めたのです。地球には、むだというものがないことは前にも話しました。
 そこで地球からもらったものは、何かの形として返すことから初めたのです。これを、リサイクルといいます。
 このように知恵を持った人間は、共に助けあい、弱い者を保護していくことをちかったのです。地球には、さまざま国があり、人々が生きています。皮膚の色が異なっても、一つの星の内では生命という仲間なのです。地球というすばらしい星に、くさりの様につながれた命を次の世代に生かせるよう努めています。
 あなた方の星は、この広い銀河系でどの位置にあり、そしてどの様な文明があるかは、はかり知れません。しかし自分の住む星を、思いやる心は幾光年離れていても、同じだと思うのです。勇気を持って私達に語りかけてくれたことに感謝します。勇気こそが、あなた方と私達をつなぐパイプなのですから。
 あなた達が私に与えてくれたパイプを、太く大きくして行くことが、共にこの宇宙で生存していくには大切なことなのです。いくら高度な文明があり、栄える星も、その星を愛さなければ文明は止まります。地球上の生物というものには、死というものがあり、時がすぎると、やがて死がおとずれます。私達生物にはさけることはできません。私達の世界では、時を止めることも、速めることも出来ないのです。
 しかし、私達はこの時を大切にし懸命に地球を愛し生きています。地球を愛するプロセスの中で、鳥の鳴き声で心がなごんだり、花を見て心がときめいたり、海に接し、自然の強さを感じたりと、地球は人間に心を与えてくれるのです。この心こそが、星を愛するパイプなのでしょう。私達人間にとって、宇宙はまだ未知の世界です。この未知の世界を、あなた方と語りあえ、この銀河系で共に助け合い生きていくことが出来るのなら、とてもすばらしい世界が開けるでしょう。地球にもう一つの新しいくさりが加わるのですから。
 そんな世界が初まるかと思うと、私の心は、わくわくどきどきします。
 私が今語ったことは一人の人間のつぶやきだと思って下さい。地球には、もっと深く地球を愛し宇宙を大切に思い活動している人がたくさんいるのです。ですから、地球人だれもがアンバサダなのです。そして、あなたも。


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