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9年度開催結果


1997年 作文の部<中学生部門>入賞作品
科学技術庁長官賞

「宇宙人への自己紹介 地球から、幸福な出会いを求めて」
奈良市立平城東中学校・1年  梅畑 優貴子
 
 この七月四日に、アメリカの航空宇宙局が打ち上げた探査機が、火星に着陸することに成功しました。七月七日の新聞によれば、まだ火星には生命体を見いだすに至っていないものの、かつての大洪水跡があると報じられています。火星の様子は、その後も報道されています。
 七月七日と言えば、日本では奈良時代から、星祭りとして、生活の中に息づいています。天の川の両岸にあるけん牛星  鷲座の主星アルタイル  と、織り姫星  琴座の主星ベガ  が年に一度再会できると言われています。
 この天の川は、私たちが住んでいる地球に属している銀河ですが、今のところ、私たちと交流できそうな生きものと出会うところまで至っていません。けれども、この広い宇宙の何処かに、私達とおなじような生きものがいるのでは、と希望をもっているのです。
 自己紹介をするわたしは、地球に住む中学一年生。ポニーテイルの髪型をしている十二歳で、バトミントン部に所属しています。
 宇宙人のあなた方についてわたしが持つイメージは、映画ではETと言われるかわいい宇宙人が描かれていましたし、古くは頭が大きく体の柔らかい生きものが想像されていました。このような親しみの持てる宇宙人であると思っています。
 あなた方と出会うことが期待されている反面、実際に出会ったという話は聞きません。以前、イギリスの小麦畑に不思議な幾何学模様が描かれ、ひょっとしたらあなた方の仕業ではないか、と想像を交えて報道されていました。
 あなた方は、地球人との出会いに注意をしているかもしれません。かつては地球人同士でも、幸福でない出会いの話はあります。たとえば、中世の時代に、新大陸を求めアメリカ新大陸を発見したり、南米ではマヤ文明に遭遇したりしました。ヨーロッパの人々からしますと新発見ですが、現地の人々からみますと大きな災いに遭遇したことになりました。文明の異なる民族が出会う場合、必ずしも双方に良い結果になるとは限らないことは歴史が教えています。
 宇宙に目を向けるようになった現在、地球の中世と同様な様相を再現してはならないと思います。地球人があなた方宇宙人に対して、新発見という立場になるか、あなた方が地球人に対して新発見となるか、いずれかわかりません。しかし、いずれにしても、前述のようなことはあってはならないのです。
 一番好ましい出会いは、相互に助け合える間柄となることです。現在、地球上の動物のほとんどは、酸素を吸収して熱に変え、二酸化炭素を吐き出しています。植物は、その二酸化炭素を光合成によって吸収し、酸素を吐き出しています。
 あなた方が住んでいる環境は必ずしも地球と同じではありません。むしろ、同じ環境であることは少なく、違った環境で生活をしていることの方が多いかもしれません。地球もかつては、酸素が生物にとって有害であった時代もあったと言われています。
 例えば、今火星で探索しようとしている「ソジャーナ」の周囲の大気は、気圧は地球の百分の一しかないそうですが、その九十五パーセントが二酸化炭素であると言われています。もし、火星に生物がおり、二酸化炭素を吸って酸素を吐き出しているとすれば、互いに助け合える関係となる可能性がでてきます。
 地球は、今、森林が極端に減少していっています。そのため、空気中の二酸化炭素が増え、地球温暖化の原因になっていると言われています。
 そこで、二酸化炭素を吸って酸素を吐き出すようなあなた方が存在したなら、地球上には二酸化炭素がたくさんあることから、あなた方には喜ばれることになるかもしれません。また、逆にあなた方宇宙人の星では、酸素が多くなり過ぎて公害問題となっているかもしれません。その時は地球人がその星で暮らし酸素を消費すれば、喜ばれることになるかもしれません。
 また、地球上では酸性雨で悩むようになっていますが、この原因は、石油を燃やす際に発生する亜硫酸ガスであるとされています。もし、またあなた方が亜硫酸ガスを食べる微生物を使って、日本でいう「みそ」や西洋でいう「チーズ」を造っているとすれば、地球から公害を除くという意味でお互いに大きな恵みとなると思うのです。
 あなた方宇宙人にとっても、私達地球人にとってもお互いに喜べるような出会いを持ちたいものです。わたしは、幸福な出会いを希望して、地球からメッセージを送ります。


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